日本各所にある、死者たちが「あの世」とこの世の間で立ち止まる場所、そして日本人が死者たちへ「お別れ」の挨拶を言う場所、そのような日本の霊的場所を子どものときから母とともに巡礼者のように訪ね歩いた著者は、日本人の母とアメリカ人の父との間に生まれたアメリカ人。本書はそういう著者による日本旅行記である。同時に、著者から見た日本人の死生観についての文化論にもなっている。
英語原題は、Where the Dead Pause, and the Japanese Say Goodbye : A Journey
第1章は「2011年3月11日、日本で地震があった」という文で始まる。この地震とは、東日本大震災のことだ。
第10章は、アメリカが長崎に投下した原爆の話しだ。被爆体験を長崎の親戚から直接聞くことによって、これまで著者に知らされていなかった真実の体験談を知ることになる。そして長崎の親戚が真実をこれまで語らなかった理由についても、アメリカ人と結婚した母の気持ちを傷つけたくなかったのだろうと思いをめぐらす。そして、原爆の放射能をもろに浴びた場合の日本人同士の複雑な社会的排除についてまで思慮をめぐらすようになる。
著者のように大震災や原爆を体験した日本人の本当の気持ちを理解しようとするアメリカ人も確かに存在するのだ。未来に希望が湧いてくる。
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死者が立ち止まる場所: 日本人の死生観 単行本 – 2016/1/22
日本人の母とアメリカ人の父の間に生まれた著者は、子どものときから母とともに日本各地を旅していた。父をなくし、その喪失から立ち直ることができずにいたとき、海の向こうで東日本大震災が起きた。
人はどのように死者を送り、親しい人の死を受け入れていくのか。仏教は答えをくれるのか?
被災地をはじめ、永平寺、高野山、恐山などをめぐり、盆踊り、精霊流し、お盆の行事などを訪ね歩きながら、著者は少しずつ心の折り合いをつけていく。
ふたつの祖国をもつ著者の、死をめぐる日本文化論であり、日本旅行記でもある。
人はどのように死者を送り、親しい人の死を受け入れていくのか。仏教は答えをくれるのか?
被災地をはじめ、永平寺、高野山、恐山などをめぐり、盆踊り、精霊流し、お盆の行事などを訪ね歩きながら、著者は少しずつ心の折り合いをつけていく。
ふたつの祖国をもつ著者の、死をめぐる日本文化論であり、日本旅行記でもある。
- 本の長さ371ページ
- 言語日本語
- 出版社晶文社
- 発売日2016/1/22
- 寸法13.8 x 2.6 x 19.4 cm
- ISBN-104794969147
- ISBN-13978-4794969149
商品の説明
著者について
著者は日本人の母とアメリカ人の父の間に生まれた。カリフォルニアで育ち、コロンビア大学を卒業後、作家として活躍している。「ナショナル・ジオグラフィックス」などに寄稿。また2013年にはNHKのドキュメンタリー「亡き人の魂とともに」などに出演。
東京女子大学卒業。在英25年。ラトレル&ロビンソン『アフガン、たった一人の生還』、レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』、イゼルディン・アブエライシュ『それでも、私は憎まない』、(亜紀書房)、『戦禍のアフガニスタンを犬と歩く』(白水社)、リン・シェール『なぜ人間は泳ぐのか?』(太田出版)など多数の翻訳を手がけ、エッセイには『ロンドンはやめれらない』(新潮文庫)などがある。
東京女子大学卒業。在英25年。ラトレル&ロビンソン『アフガン、たった一人の生還』、レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』、イゼルディン・アブエライシュ『それでも、私は憎まない』、(亜紀書房)、『戦禍のアフガニスタンを犬と歩く』(白水社)、リン・シェール『なぜ人間は泳ぐのか?』(太田出版)など多数の翻訳を手がけ、エッセイには『ロンドンはやめれらない』(新潮文庫)などがある。
登録情報
- 出版社 : 晶文社 (2016/1/22)
- 発売日 : 2016/1/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 371ページ
- ISBN-10 : 4794969147
- ISBN-13 : 978-4794969149
- 寸法 : 13.8 x 2.6 x 19.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 830,434位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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