本書は、西洋文明のみならず文明一般に関心がある人にとって必読と言って良いほど有名かつ重要な本である。
上巻の特徴は、中世から18世紀に至るまでの人々の振舞の変化が、多くの資料をもとにきわめて具体的に論じられている点にある。
食事におけるナイフやフォークの使用、生理的欲求、洟をかむこと、つばを吐くこと、寝室における作法、男女関係についての考え方、そして攻撃欲の変遷の歴史は、われわれが当たり前と思っている振舞が、西洋においてはたかだか数百年の歴史の中でようやく獲得されたということを示している。
食事のマナーの変遷は比較的知られているので、それ以外の面白い例を挙げれば、16世紀のパリでは、12匹ないし24匹の猫を火あぶりにすることが、聖ヨハネ祭の行事の一つだった。また、中世ドイツでは、男女ともに、風呂場に行くときには、家で服を脱ぎ、ほとんど裸同然の姿で出かけた。
上巻はこのような目から鱗の実例に満ちており、比較的読みやすい。
分厚い本であるが、一読の価値がある。
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文明化の過程 上 新装版 (叢書・ウニベルシタス 75) 単行本 – 2004/6/1
- ISBN-104588099051
- ISBN-13978-4588099052
- 出版社法政大学出版局
- 発売日2004/6/1
- 言語日本語
- 本の長さ434ページ
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
ヨーロッパ的な意味で文明化された人間に典型的な行動様式の研究。上巻では、ヨーロッパ上流階層の風俗の変遷を扱い、人間の行動様式と情感規制を、社会の変化との関連において長期にわたって考察する。77年刊の新装版。
登録情報
- 出版社 : 法政大学出版局 (2004/6/1)
- 発売日 : 2004/6/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 434ページ
- ISBN-10 : 4588099051
- ISBN-13 : 978-4588099052
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,908,448位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 391位社会史
- - 4,578位ヨーロッパ史一般の本
- - 10,311位社会一般関連書籍
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