18世紀のドイツの物理学者リヒテンベルグが残した膨大なノートから、アフォリズム的な文章を抜粋した本。
物理学者の観察眼で、人間社会における様々なことに対し鋭く深い分析を加えている。知的興奮を促す文章の密度が、他の警句集よりもずっと濃いと思う。
現代においても彼の寸鉄が全く古びていないのは、本質的なものを好む科学者の面目躍如と言ったところか。
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リヒテンベルク先生の控え帖 (平凡社ライブラリー い 2-2) 新書 – 1996/7/1
- 本の長さ221ページ
- 言語日本語
- 出版社平凡社
- 発売日1996/7/1
- ISBN-104582761569
- ISBN-13978-4582761566
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
鋭い警句、無意味な考察、ユーモアいっぱいの人物描写…。18世紀のドイツの科学者が残した膨大な「箴言集」から、池内紀が選りすぐった不思議な警句集。
登録情報
- 出版社 : 平凡社 (1996/7/1)
- 発売日 : 1996/7/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 221ページ
- ISBN-10 : 4582761569
- ISBN-13 : 978-4582761566
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,077,738位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 81位ドイツ文学(名言・箴言)
- - 6,895位倫理学入門
- - 69,086位新書
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年9月9日に日本でレビュー済み
18世紀ドイツの物理学者、リヒテンベルク。彼の死後に発見された大量のノートは、『控え帖』と題されていた。リヒテンベルクが日々の生活のなかで体験したこと、考えたことなどが記されたものだ。この本は、その一部を抜粋したもので、主に一~数行の短い文章を集めている。
訳者のあとがきによると、この抜粋版の内容は、書かれた年代順になっていないとのこと。また、10の章に分けられており、章ごとの冒頭に訳者のエッセイが挟まれている。そのエッセイはリヒテンベルクの人生や、彼の生きた時代に材をとったものばかりだ。
この『控え帳』の原著は、哲学者のウィトゲンシュタインやニーチェによって愛読されたという。実際、ウィトゲンシュタインの執筆方法に通じる記述が本書には含まれており、興味深かった。“(略)まずノートだ、そこに見たもの、思ったことのすべてを書き入れる。そののちに分類して秩序づけ書き写せばいい。思考の簿記であって、そうすれば物事の関連性と、そこから生じる解明とが、きちんとした表現を見るだろう(p.38より)”。
しかし、期待したほど、深遠な文章は多くなかった。どちらかと言えば、人びとや宗教などに対する諷刺の効いた、ユーモラスな文章が多い。自分は原著を読んでいないので、それが元々の傾向なのか、それとも訳者の好みによるのかは判断できない。
最後に、特に好ましい一文を載せて結びとする。
“人生のどのような出来事であれ、それを自分のため、自分の仕事のために活用できる――天才の秘密のおおかたは、この一点にある(p.111より)”
訳者のあとがきによると、この抜粋版の内容は、書かれた年代順になっていないとのこと。また、10の章に分けられており、章ごとの冒頭に訳者のエッセイが挟まれている。そのエッセイはリヒテンベルクの人生や、彼の生きた時代に材をとったものばかりだ。
この『控え帳』の原著は、哲学者のウィトゲンシュタインやニーチェによって愛読されたという。実際、ウィトゲンシュタインの執筆方法に通じる記述が本書には含まれており、興味深かった。“(略)まずノートだ、そこに見たもの、思ったことのすべてを書き入れる。そののちに分類して秩序づけ書き写せばいい。思考の簿記であって、そうすれば物事の関連性と、そこから生じる解明とが、きちんとした表現を見るだろう(p.38より)”。
しかし、期待したほど、深遠な文章は多くなかった。どちらかと言えば、人びとや宗教などに対する諷刺の効いた、ユーモラスな文章が多い。自分は原著を読んでいないので、それが元々の傾向なのか、それとも訳者の好みによるのかは判断できない。
最後に、特に好ましい一文を載せて結びとする。
“人生のどのような出来事であれ、それを自分のため、自分の仕事のために活用できる――天才の秘密のおおかたは、この一点にある(p.111より)”
2016年9月10日に日本でレビュー済み
アルベール・ベガンによる記念碑的大著『
ロマン的魂と夢 ―ドイツ・ロマン主義とフランス詩についての試論
』、その第一部 第一篇 第一章に論じられた人物こそ、このG.C.リヒテンベルクにほかならない。
リヒテンベルクは、ゲッティンゲン大学の物理学教授であり、ゲーテが『色彩論』を書くにあたって助言を乞うたほどの自然科学者であったが、その一方で神秘家ヤーコブ・ベーメを読んだ最初のドイツ人の一人でもあった。
後にニーチェも愛読したという、死後刊行された数十年分の「控え帖」には、無数のアフォリズムと並んで、死や夢の誘惑、悲恋の嘆きなど、ロマン的魂が明滅していた。
しかし合理主義全盛の時代にあって、彼は自らの観念を恥じ、他人に明かそうとはしなかった。
まさに彼こそはロマン主義の先駆者なのである。
本書は『控え帖』の抄訳となる。
翻訳者の好みもあってか、あまり深刻なものは選ばれておらず、もの足りなさは否めない(前述したベガンの書には、本書に採られていない深刻悲痛な言葉の数々がたっぷりと掲載されているので、ご興味ある方は是非手にとってご覧いただきたい)。
とはいえ、一発目のアフォリズムから笑えた。
「この世にある平面のうちでもっとも娯楽性に富むのは、人間の顔である」
リヒテンベルクは、ゲッティンゲン大学の物理学教授であり、ゲーテが『色彩論』を書くにあたって助言を乞うたほどの自然科学者であったが、その一方で神秘家ヤーコブ・ベーメを読んだ最初のドイツ人の一人でもあった。
後にニーチェも愛読したという、死後刊行された数十年分の「控え帖」には、無数のアフォリズムと並んで、死や夢の誘惑、悲恋の嘆きなど、ロマン的魂が明滅していた。
しかし合理主義全盛の時代にあって、彼は自らの観念を恥じ、他人に明かそうとはしなかった。
まさに彼こそはロマン主義の先駆者なのである。
本書は『控え帖』の抄訳となる。
翻訳者の好みもあってか、あまり深刻なものは選ばれておらず、もの足りなさは否めない(前述したベガンの書には、本書に採られていない深刻悲痛な言葉の数々がたっぷりと掲載されているので、ご興味ある方は是非手にとってご覧いただきたい)。
とはいえ、一発目のアフォリズムから笑えた。
「この世にある平面のうちでもっとも娯楽性に富むのは、人間の顔である」
2010年7月14日に日本でレビュー済み
いわゆるアフォリズム(格言)です。
この本は、ちょっといたずらっぽくて
なおかつ示唆にとんでたりして
なるほど理系の先生らしいなぁと、
ニヤニヤしながら読みはじめました。
この文庫(私は文庫を読みました)は膨大な警句集から、
訳者が自分で編纂したものです。
なので、たぶんに訳者の好みやセンスが反映され、
便宜上10つのパートにわけられています。
私はこれは、ニヤニヤしながら読みたかったので、
一番初めのパートが好きです。皮肉で明るくて健康で!
後半は(年代別に編纂したものではありませんが)、
なんだかリヒテンベルクを通して人生の深み、
暗部、そして日本人には理解しにくい宗教観のような雰囲気で、
前半のように軽く読むことができませんでした。
本に訳されていない他の数々の文も読んでみたいです。
この本は、ちょっといたずらっぽくて
なおかつ示唆にとんでたりして
なるほど理系の先生らしいなぁと、
ニヤニヤしながら読みはじめました。
この文庫(私は文庫を読みました)は膨大な警句集から、
訳者が自分で編纂したものです。
なので、たぶんに訳者の好みやセンスが反映され、
便宜上10つのパートにわけられています。
私はこれは、ニヤニヤしながら読みたかったので、
一番初めのパートが好きです。皮肉で明るくて健康で!
後半は(年代別に編纂したものではありませんが)、
なんだかリヒテンベルクを通して人生の深み、
暗部、そして日本人には理解しにくい宗教観のような雰囲気で、
前半のように軽く読むことができませんでした。
本に訳されていない他の数々の文も読んでみたいです。
2011年9月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
真実を見抜く鋭い観察眼とユーモア、そして一般人でもわかるように言い表してくれる優しさ。彼が教師として理想的だった事を証明しており、ニーチェが絶賛したのも納得。こんな教師の授業を受けた生徒達が羨ましいです。
他の文章も読んでみたいので英語版かドイツ語版を買ってみようかな。
他の文章も読んでみたいので英語版かドイツ語版を買ってみようかな。