成功事例で、現在の企業を誉める本は多いが、失敗事例で現在の企業を揶揄する本は珍しい。
誉めた方が、取材が楽だからだろうか。
この本は、あえて、失敗を取り上げ、そこから、戦略の本質を見つめなおす、挑戦的な良書。
事例も企業数で16社もあり、なかなかリアルでよい。
取り上げている企業が大手のトラディショナル企業に偏っているところが気になるが、それ以外は最後まで頷きながら読めた良書。
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戦略の失敗学―経営判断に潜む「落とし穴」をどう避けるか 単行本 – 2009/6/5
森谷 正規
(著)
今の日本では、みながまじめに一生懸命働いているのに、さまざまな分野で失敗が生じている。いったい、何がまずいのか。その答えは、戦略だ。まずい戦略が現場の努力を台なしにしているのである。
今日本は、長い成功の時代を過ぎて、失敗の時代に入っている。こういうときに重要なのは、過去の失敗に学ぶことだ。数多くの失敗事例を知れば、失敗を防ぐのに役立てることができる。ただ、その多くの事例を詳しく分析して、失敗にはどのようなタイプの原因があるのかを、まとめておかなくてはいけない。本書では、それを行っている。
具体的には、トヨタ、東芝、パイオニア、キヤノン、花王など、16のケースから失敗の根本原因を探り、そうした原因に照らし合わせて、リニア中央新幹線、ソニー、民放テレビ局などの成否を検証している。
今日本は、長い成功の時代を過ぎて、失敗の時代に入っている。こういうときに重要なのは、過去の失敗に学ぶことだ。数多くの失敗事例を知れば、失敗を防ぐのに役立てることができる。ただ、その多くの事例を詳しく分析して、失敗にはどのようなタイプの原因があるのかを、まとめておかなくてはいけない。本書では、それを行っている。
具体的には、トヨタ、東芝、パイオニア、キヤノン、花王など、16のケースから失敗の根本原因を探り、そうした原因に照らし合わせて、リニア中央新幹線、ソニー、民放テレビ局などの成否を検証している。
- 本の長さ285ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2009/6/5
- ISBN-104492501959
- ISBN-13978-4492501955
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商品の説明
著者について
1935年、旧朝鮮生まれ。東京大学工学部卒業。日立造船、野村総合研究所、東京大学先端科学技術研究センター客員教授、放送大学教授などを歴任。現在、LCA大学院大学副学長。専攻は現代技術論。1985年に『日本・中国・韓国産業技術比較』(東洋経済新報社)で第1回大平正芳記念賞受賞。
最近の著作に『日本はこれからも経済一流国だ』(PHP研究所)、『5年後、企業・技術はこう変わる』(ビジネス社)、『政治は技術にどうかかわってきたか』(朝日選書)等がある。ほか著書多数。
最近の著作に『日本はこれからも経済一流国だ』(PHP研究所)、『5年後、企業・技術はこう変わる』(ビジネス社)、『政治は技術にどうかかわってきたか』(朝日選書)等がある。ほか著書多数。
登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2009/6/5)
- 発売日 : 2009/6/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 285ページ
- ISBN-10 : 4492501959
- ISBN-13 : 978-4492501955
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,909,074位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,030位オペレーションズ (本)
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2009年9月24日に日本でレビュー済み
戦略・失敗学というキーワードにつられて読んでみましたが、内容は期待するようなレベルのものではありませんでした。
最初の事例として、東芝のHD-DVDの失敗例が挙げられていますが、その失敗の根本原因は以下のように分析されています。
---
p97 つまり規格が二つに分かれているのが、やはり次世代DVDの基本的な重大な問題であった。ユーザは買い控えをしたのだが、(中略)東芝は、そのような人間の行為にまでは思いが至らなかったのだ
---
読んだ瞬間に「そんなわけ絶対にない」と思わず口に出して言ってしまいました。映像メディアの規格統一の重要性は、「VHS vs ベータ」という格好の事例がすでにあり、誰しもが知っているもので、それを見落とすなんてことは絶対にありえません。
数十の事例分析を行なっていますが、全体的にこんなレベルの分析しか行なわれていません。きわめて浅い分析と受け取らざるを得ません。
失敗学の本家の畑村先生もおっしゃっていますが、失敗の分析は「現物・現場・現人」(だったかな?)、とにかく当事者を含めた形で行なって初めて原因の本質へと迫れるものです。
それを外から眺めて、「人間の本質が理解できていないから失敗した」などと言われては、当事者は本当に報われないでしょう。そして、そんな分析を見せられても、表面上の理解しかできず読者が同じ失敗を繰り返すことは必至です。
失敗を分析して次の戦略に生かすという気持ちは良いですが、半端な分析を数多くこなすのではなく、少ない事例で良いので深く分析して欲しかったです。
最初の事例として、東芝のHD-DVDの失敗例が挙げられていますが、その失敗の根本原因は以下のように分析されています。
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p97 つまり規格が二つに分かれているのが、やはり次世代DVDの基本的な重大な問題であった。ユーザは買い控えをしたのだが、(中略)東芝は、そのような人間の行為にまでは思いが至らなかったのだ
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読んだ瞬間に「そんなわけ絶対にない」と思わず口に出して言ってしまいました。映像メディアの規格統一の重要性は、「VHS vs ベータ」という格好の事例がすでにあり、誰しもが知っているもので、それを見落とすなんてことは絶対にありえません。
数十の事例分析を行なっていますが、全体的にこんなレベルの分析しか行なわれていません。きわめて浅い分析と受け取らざるを得ません。
失敗学の本家の畑村先生もおっしゃっていますが、失敗の分析は「現物・現場・現人」(だったかな?)、とにかく当事者を含めた形で行なって初めて原因の本質へと迫れるものです。
それを外から眺めて、「人間の本質が理解できていないから失敗した」などと言われては、当事者は本当に報われないでしょう。そして、そんな分析を見せられても、表面上の理解しかできず読者が同じ失敗を繰り返すことは必至です。
失敗を分析して次の戦略に生かすという気持ちは良いですが、半端な分析を数多くこなすのではなく、少ない事例で良いので深く分析して欲しかったです。
2009年8月19日に日本でレビュー済み
政府版キッザニア「私のしごと館」の政府委員を務めた著者が
ビジネスにおいて失敗とみなす事例を概説してくれる本。
東芝のHD−DVD、フロッピーディスク、トロン(OS)、
ソニーのアイボなど対象に、どうして失敗したのか、を
技術的な解説を交えてわかりやすく説明している。
そしてその原因を
・人間の本質を理解できていない、
・時代の認識ができていない、
・内部に問題がある(能力不足、戦術ミス etc)他
と分析・分類している。
企業の「失敗」を本にできるということ自体がすごいが、
もう少し突っ込んだ分析があれば良かったと思う。
失敗学について学ぶなら、「 失敗学のすすめ 」(畑村洋一郎著)が
なんといっても秀逸で、これは必ず読むべきです。
ビジネスにおいて失敗とみなす事例を概説してくれる本。
東芝のHD−DVD、フロッピーディスク、トロン(OS)、
ソニーのアイボなど対象に、どうして失敗したのか、を
技術的な解説を交えてわかりやすく説明している。
そしてその原因を
・人間の本質を理解できていない、
・時代の認識ができていない、
・内部に問題がある(能力不足、戦術ミス etc)他
と分析・分類している。
企業の「失敗」を本にできるということ自体がすごいが、
もう少し突っ込んだ分析があれば良かったと思う。
失敗学について学ぶなら、「 失敗学のすすめ 」(畑村洋一郎著)が
なんといっても秀逸で、これは必ず読むべきです。
2011年6月19日に日本でレビュー済み
福島第一原発の事故から、われわれ日本人は学ぶことができるか。失敗から学んで、自らを変えていくことができる力を身に着けられるかという岐路に立っていると思う。
そんな折、本書が目に留まった。失敗事例を分析し、そこから教訓を得て、現実にフィードバックするというのは簡単なことではない。本書のような研究書が多く出されて、研究が深まるのはよいことだと思う。
そんな折、本書が目に留まった。失敗事例を分析し、そこから教訓を得て、現実にフィードバックするというのは簡単なことではない。本書のような研究書が多く出されて、研究が深まるのはよいことだと思う。