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旅ゆけば俳句 (新潮文庫 え 6-2) 文庫 – 1989/2/1
江國 滋
(著)
- 本の長さ269ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1989/2/1
- ISBN-104101378029
- ISBN-13978-4101378022
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1989/2/1)
- 発売日 : 1989/2/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 269ページ
- ISBN-10 : 4101378029
- ISBN-13 : 978-4101378022
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,160,709位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 5,751位詩歌 (本)
- - 12,055位新潮文庫
- - 32,203位エッセー・随筆 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年5月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ずいぶん昔の紀行文ですがとても楽しく読めました。ふた昔前のことが違和感なく思えたのは作者江國滋の天性の感覚と俳句です。もっと長生きしてほしかった。
2013年3月25日に日本でレビュー済み
久しぶりに読み返しました。いま読んでもみずみずしさ、濃密さにどっぷり引き込まれます。
初出は1986年、旅行雑誌の企画により、江國滋が四季おりおりの旅行に出かけ、紀行に俳句をちりばめる、という趣向です。
しかし俳人が旅に出て「奥の細道」のように紀行文学をものする、という企画なら、黛まどかの『星の旅人』などいろいろありますが、それらが主にひとりで旅に向き合う記録であるのに対し、人事と酒と佳肴を愛する江國氏は、俳句の趣味のある楽しい同行者をチョイス、編集者も自分の弟子にして俳句を作らせ、場所の移動ごとにみんなで句を作ることで、旅にメリハリをつけます。これがめっぽう楽しい。
黒田杏子のようなプロの俳人のときもありますが、ラジオのパーソナリティ白石冬美、政治家稲葉修、グルメ俳優の渡辺文雄、最後には瀬戸内寂聴も登場、これに編集者の「藪不知」を加え、「滋酔郎」江國氏が新幹線の中からまず一句、要所要所で当地の風物などを競合するように詠んでゆく鮮やかさ。軽妙洒脱で、ときにちょっと辛口のユーモアに満ちた江國エッセイの筆致が、全体をコミカルに暖かくまとめ、それゆえ逆に、一句でとどめを刺すような俳句の魅力を浮き上がらせています。甘辛そろった俳句紀行の、そして旅の醍醐味です。
江國氏は自然にあまり興味がないと言い、句が冴えるのはもっぱら人事、そして宿の珍味佳肴、ほんとうに眼前に見るように描きだされるご馳走と会話。弟子の「藪不知」を気持ちよさそうにけなすいっぽう、同行者のほうがいい句を作ってしまうことも多々あり、苦々しそうに喜んでいる俳人の目も鋭く、ふつうの紀行文より密度の濃い時間が流れてゆきます。
「ひとひらのふくが青磁を離れたり」の下関、越前海岸、金沢、京都、奥の細道の旅、鎌倉、吉備路・・・一年間とおして読み、歳時記に合わせた旅の重層的な体験に浸りました。
これが原点となって、著者はイギリス、ベルリン、スイス、イタリア、アメリカ・・と海外に「パスポートは俳句」シリーズを展開してゆくことになります。全部愛読していますが、やはり人と人とのかかわりあっての江國氏が生み出す俳句は、この日本篇が最高かもしれません。ただし画をよくする江國氏は外国篇をしゃれたスケッチで彩っているので、それはまた別の楽しみもあり。
紀行文の中に俳句を入れることで、旅の臨場感がいきなり(ズームアップのごとく)鮮烈になる。そして旅が一期一会の濃密なものになる。その魅力を江國氏ほどうまくつかまえていた文学者はいないことを、改めて感じました。外国シリーズもふくめ、ぜひ再版そして文庫化してもらいたいと思います。
初出は1986年、旅行雑誌の企画により、江國滋が四季おりおりの旅行に出かけ、紀行に俳句をちりばめる、という趣向です。
しかし俳人が旅に出て「奥の細道」のように紀行文学をものする、という企画なら、黛まどかの『星の旅人』などいろいろありますが、それらが主にひとりで旅に向き合う記録であるのに対し、人事と酒と佳肴を愛する江國氏は、俳句の趣味のある楽しい同行者をチョイス、編集者も自分の弟子にして俳句を作らせ、場所の移動ごとにみんなで句を作ることで、旅にメリハリをつけます。これがめっぽう楽しい。
黒田杏子のようなプロの俳人のときもありますが、ラジオのパーソナリティ白石冬美、政治家稲葉修、グルメ俳優の渡辺文雄、最後には瀬戸内寂聴も登場、これに編集者の「藪不知」を加え、「滋酔郎」江國氏が新幹線の中からまず一句、要所要所で当地の風物などを競合するように詠んでゆく鮮やかさ。軽妙洒脱で、ときにちょっと辛口のユーモアに満ちた江國エッセイの筆致が、全体をコミカルに暖かくまとめ、それゆえ逆に、一句でとどめを刺すような俳句の魅力を浮き上がらせています。甘辛そろった俳句紀行の、そして旅の醍醐味です。
江國氏は自然にあまり興味がないと言い、句が冴えるのはもっぱら人事、そして宿の珍味佳肴、ほんとうに眼前に見るように描きだされるご馳走と会話。弟子の「藪不知」を気持ちよさそうにけなすいっぽう、同行者のほうがいい句を作ってしまうことも多々あり、苦々しそうに喜んでいる俳人の目も鋭く、ふつうの紀行文より密度の濃い時間が流れてゆきます。
「ひとひらのふくが青磁を離れたり」の下関、越前海岸、金沢、京都、奥の細道の旅、鎌倉、吉備路・・・一年間とおして読み、歳時記に合わせた旅の重層的な体験に浸りました。
これが原点となって、著者はイギリス、ベルリン、スイス、イタリア、アメリカ・・と海外に「パスポートは俳句」シリーズを展開してゆくことになります。全部愛読していますが、やはり人と人とのかかわりあっての江國氏が生み出す俳句は、この日本篇が最高かもしれません。ただし画をよくする江國氏は外国篇をしゃれたスケッチで彩っているので、それはまた別の楽しみもあり。
紀行文の中に俳句を入れることで、旅の臨場感がいきなり(ズームアップのごとく)鮮烈になる。そして旅が一期一会の濃密なものになる。その魅力を江國氏ほどうまくつかまえていた文学者はいないことを、改めて感じました。外国シリーズもふくめ、ぜひ再版そして文庫化してもらいたいと思います。