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博物学の巨人 アンリ・ファーブル (集英社新書) 新書 – 1999/12/1
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「昆虫の詩人」-ファーブルは従来、最大の敬意をこめてこう呼ばれてきた。しかし、彼は繊細な詩人である以上に、百科全書的な博物学の巨人なのである。更に“死んだ”標本の研究から“生きた”昆虫を研究することへと方向を転換し、自分の目で見て確かめたことだけを書いたファーブルの自然理解こそは、自然を単純化し、遺伝子をもてあそぶかのような今日の生物学の対極にあるものである。スカラベの生態など代表的研究を紹介しつつ、その九一年におよぶ人生をたどる。第一人者による新たなファーブル像に迫る本格評伝。
[著者情報]
奥本 大三郎 (おくもと だいざぶろう)
一九四四年大阪生まれ。東京大学大学院文学研究科仏文学修士課程修了、博士課程中退。埼玉大学教養学部教授。『ファーブル昆虫記』の全訳に取り組むほか著書に『ファーブル昆虫記 ジュニア版』全八巻(集英社)『虫の宇宙史』(集英社文庫、読売文学賞受賞)『楽しき熱帯』(集英社、サントリー学芸賞受賞)『書斎のナチュラリスト』(岩波新書)など。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日1999/12/1
- ISBN-104087200035
- ISBN-13978-4087200034
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商品の説明
商品説明
ファーブル関連書の出版点数では、日本は世界で群を抜いているという。筆者はその理由として虫好きな国民性、フランスの蝶蛾との共通種が多かったこと、そして「虫=悪魔が作りしもの」的な人間中心の宗教観が極めて希薄だったことあげている。そのうえで、「生物への愛、自然への畏怖心を忘れてはならない」というファーブルの遺志の継承を「ウマが合う」日本人たちに呼びかけている。
ファーブルの『昆虫記』をわが国で初めて翻訳した無政府主義者、大杉栄は、その「ウマが合う」1人であったようだ。それは本書で引用されている、ある日本人仏文学者の大杉評のなかに見ることができる。「ファーブルは権威主義、事大主義を嫌い、精妙な観察力と緻密な推論をもって、偶像破壊に情熱を燃やし続けたが、自然という無限の源泉に浸る喜び、感受性を失うことはなかった。大杉はその姿を自らの鑑ととらえ、励ましと慰めを得ていたのではあるまいか」。
筆者自らも自身の言葉で、目先の利益や名誉に心を奪われた現代の遺伝子工学の研究者たちに対し警鐘をならしている。だが本書を一読してもっとも心に響くのが次の短い逸話だ。「蜂は、獲物を狩るための技をどうやって身につけたのか」というhra
内容(「BOOK」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 集英社 (1999/12/1)
- 発売日 : 1999/12/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 240ページ
- ISBN-10 : 4087200035
- ISBN-13 : 978-4087200034
- Amazon 売れ筋ランキング: - 560,714位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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特に、大杉栄が訳していたなど、私にはちょっと驚きです。
そのほか、当時のフランスの生活様式などにもふれられており、絶対お薦めの一冊です。
これを読めば、あなたも立派なファーブル通ですよ。
生誕から死までの各場面をたどりながら、いかに苦しい生活であったか、その業績がいかに凄いものであったかが示されている。生活の苦しさと業績は裏腹のものであり、昆虫観察に熱中すればするほど、出世の道は狭まり、無用な衝突を繰り返すことになる。でも、楽しい人生だ。そのあたりの微妙な具合が、著者に独特のユーモアを交えて描かれている。
著者自身が昆虫好きの文学者という特殊な立場にあり、それだからこそ、ファーブルの気持ちが良く分かるのだろう。いい本だった。
日本での翻訳や受容の歴史についても。