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メアリー・アニングの冒険 恐竜学をひらいた女化石屋 (朝日選書) 単行本(ソフトカバー) – 2003/11/8
- 本の長さ344ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞社
- 発売日2003/11/8
- ISBN-104022598395
- ISBN-13978-4022598394
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商品の説明
商品説明
メアリーのことを1度も聞いたことがなくても、彼女が、生まれ育ったイギリス南西部ライムの海岸から掘り出した化石をロンドンの博物館で、あるいは図録の写真などで目にしたことはあるかもしれない。今日の恐竜学に大変な貢献をした人物なのだ。その生涯は多彩なエピソードに彩られ、いわば伝説となってもいた。しかし、まとまった資料などがあるわけでもなく、彼女の存在は謎に包まれたまま本国でも忘れられつつあった。そんなメアリの世界初の本格的な評伝の執筆を、日本の古生物学者とアニメ脚本家という異色のコンビが成し遂げた。このこと自体も「冒険」といえそうだ。
本書はまた、男尊女卑、階級社会の国と時代にあって、たったひとりで貧しい家族を養い、紳士学者たちを相手にビジネスをし、自身の名前では論文などを一切残せなかった女性が、気丈に懸命に生きた切ない記録でもある。頑固でやや偏屈なキャラクターの愛すべきメアリー――わずかに残る手紙の文章とイラストからは、自然が産み出すものへの観察眼の細やかさ、真実をみる洞察力が感じられる。おそらくメアリー自身がそうであったように、一筋縄ではゆかない、多面的でちょっと不思議な味わいのある評伝になっている。(坂本成子)
著者からのコメント
「恐竜」の概念すらない時代、メアリーはわずか13歳からプロ化石ハンターの経歴をはじめ、まさに冒険的な発掘を生涯続けて「古生物学」の誕生に大きな役割を 果たしました。著者の一人吉川はアニメーション作家で門外漢ではありますが、共著者の科 学史家、矢島と力をあわせ、メアリー研究の第一人者トレンズ博士の協力を得て、世界初の まとまった伝記をまとめました。それじたい「冒険」でしたが、恐竜、科学史、女性史ある いは英文学に関心のある方には必読!と信じます。またこの方面に詳しくない方にも面白く 読めるよう工夫したつもりです。まだまだ謎だらけの人物で新事実の解明が進むと思われま す。まずは拙著をお読みになってメアリー探索の旅にご参加ください。
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞社 (2003/11/8)
- 発売日 : 2003/11/8
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 344ページ
- ISBN-10 : 4022598395
- ISBN-13 : 978-4022598394
- Amazon 売れ筋ランキング: - 303,662位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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ペールゼンの執着心とメアリーに似た面があると思いました。
古生物学や比較解剖学はその道の学者ばかりが主導したと考えられがちだが、メアリー・アニングのように基礎的な知識のない一般人によって貴重な化石が提供されたことが大きな力になった部分があったことは新鮮な印象である。
ちなみに私自身は教科書通りに、「ギデオン・マンテルらが発見したイグアノドンの化石などによって古生物学が切り開かれた」と思っていたクチである。
また、どんな人間も聖人君子ではありえず、メアリーもまた悩み多き人生を送ったことはむしろ心強い教訓であろう。
なかなか読み応えのある書籍であるが、私のようにさまざまなエピソードを知ることで雑学的知識を高めたい人にはお勧めであろう。
矢島道子氏による専門的知識の補足も良いエッセンスである。
メアリー・アニングは古生物学を専門とする人にもほとんど知られていない存在です。その彼女にスポットライトをあてたことは、本書の最大の功績であります。
世のゴルフ場のロビーには「トム・モリス」の肖像がしばしば飾られます。それは全世界においてかなりの数にのぼることでしょう。しかしそれでいながら、トム・モリスの偉業について詳しく知っているゴルファーは数少ないのです。ましてメアリー・アニングの肖像画が、英国自然史博物館に(さりげなく)飾られているからといって、世の人たちが彼女のことを詳しく知っているとは限りません。
筆者の吉川惣司さんは「ルパン三世」の映画監督もなさった多才な方で、じつに筆のたつ方です。また矢島道子さんは介形虫(オストラコーダ)化石の研究により理学博士の学位をもつ方で、東大の初代教授をつとめたヒルゲンドルフについての研究により、科学史界においてよく知られます。こんかいその異色な二お人が力をあわせ、歴史の闇に埋もれていたメアリー・アニングの人生について詳しく掘りおこしました。
本書はアニングの肖像画についての謎解きから始まります。彼女の資料は低質な紙の、しかもその両面に滲むインクで書き込まれた粗末なものが大半です。それをよくぞ読み解き、そしてかくも平易な文章にまとめあげたものです。まさにお二人の不断の努力の結果です。
図版も多く、それを眺めるだけでも、十分価値のある本です。科学だけでなく歴史学、文学、紀行学、科学史学、女性学などの立場からも、広くおすすめする美事な一冊といえましょう。このような本の出版を決断した編集部の心意気に熱いエールを送ります。
舞台は南イングランドの海岸の町、ライム・リージス。太古の化石の宝庫だ。メアリーはこの町で生まれ、ひたすら化石の発掘を続け、この町で亡くなった。その生涯は、静穏・単調とはほど遠く、書名にもあるように「冒険」と言うにふさわしい。
化石発掘は生活のためだった。大型化石は嵐のあと崖に露出する。損傷を与えずに掘り出し(命がけだ)、洗浄を行ない、枠に固定し、スケッチし、学術的価値を見極め、コレクターや研究者と値段の交渉をする。(メアリーは貧しかったため学校に行けなかった。これをするだけの知識や技術をどのように身に着けたのか。)
時代は、19世紀前半、ダーウィン進化論の登場直前。科学の最先端は地質学と古生物学だった。本書では、キュヴィエ、セジウィック、マーチソン、バックランド、ライエル、オーウェン、アガシなど、キラ星たちが登場し、メアリーの化石をめぐって争奪と学術的論争を繰り広げる。
メアリーの実像を描き切った吉川惣司・矢島道子両氏には脱帽。その作業は、さぞかしおもしろかったに違いない。(蛇足。昨年、映画『アンモナイトの目覚め』が公開された。主人公はメアリーで、ロケ地もライム・リージスだが、内容はほぼフィクション。)