物理学的な説明が、とてもわかりやすいです。71ページのうすい本ですが、わかりやすく端的に書いています。目次はつぎのとおり...1章「被曝直後の福島を訪れて」、2章「内部被曝のメカニズムと恐ろしさ」、3章「誰が放射線のリスクを決めてきたのか」、4章「なぜ内部被曝は小さく見積もられてきたのか」、5章「放射線被曝に、どのように立ち向かうか」
この本を読む前に、JCOの臨界事故についてのNHK取材班の記録をもとにした文庫本、「朽ちていった命-被曝治療83日間の記録-」(新潮文庫)を読んでいました。これは、零コンマ何秒間の、中性子線とガンマ線被曝で、人体の中のNaが放射性物質Na24に変化して、骨髄細胞の染色体が同定できないくらいにバラバラに破壊され、多臓器が機能不全になって、急性障害で亡くなった、大内さんの83日にわたる、だれもが経験したことのない闘病の記録です。
JCOの事故は、中性子線とガンマ線被曝が原因なのは明白です。一方、ブックレットにある「内部被曝」は低線量の24時間被曝のことです。放射性ヨウ素のように、体内のいろんな部位に蓄積する放射性物質が出しつづけるベータ線は、短い距離を飛行するあいだに、その近くにある原子に衝突して、「効率よく」その電子をはじきとばして、その物質を破壊するのですが、じわじわと晩発性障害を発生させるので、被曝した本人(我々自身かもしれない)ですら、障害と被曝の因果関係に気付くのはむずかしいし、因果関係を立証するのもむずかしいようです。
5章を読んで、..... すでにできてしまった放射性廃棄物については、放射線を出す性質自体を消滅させることはできないので、体積を減量して放射線を長期間、遮蔽する以外に手立てがないように思いますが、これ以上、放射性廃棄物をふやさないために、脱原発は必要に思いました。放射性廃棄物は、とてつもなく長期にわたって、いろんな意味で危険な、子孫への負の遺産です。これは人間が作り出すものの中では、かなり特殊なものであることを認識しなければならないように思います。いま、参考にすべきキーワードは、「ドイツは、すべての原発を2022年までに停止することを決めた」と、いろんな企業が注目しつつある「再生エネルギ」、ではないかと思います。
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内部被曝 (岩波ブックレット) 単行本(ソフトカバー) – 2012/3/7
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3・11以降、放射能の人への影響として、内部被曝を考えることが重要視されている。この内部被曝とは何か、またなぜ起こるのか。さらに内部被曝は、その影響の度合いについて様々な見解があるのはなぜか。いまの状況にいたるまでの軌跡をたどりながら、その問題点を明らかにする。
- 本の長さ72ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2012/3/7
- 寸法15 x 0.6 x 21 cm
- ISBN-104002708322
- ISBN-13978-4002708324
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商品の説明
著者について
矢ヶ﨑克馬(やがさき・かつま)
1943年生まれ.沖縄県在住.広島大学大学院理学研究科博士課程単位取得満期退学.理学博士.専攻は物理.琉球大学理学部教授,理学部長などを経て,2009年3月,定年退職.琉球大学名誉教授.2003年より,原爆症認定集団訴訟で「内部被曝」について証言をする.東日本大震災以後は,福島ほか,全国各地で講演をしている.
著書に『隠された被曝』(新日本出版社),『力学入門(6版)』(裳華房)などがある.
守田敏也(もりた・としや)
1959年生まれ.京都市在住.同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て,現在フリーライターとして取材活動を続け,社会的共通資本に関する研究を進めている.ナラ枯れ問題に深く関わり,京都の大文字山などで害虫防除も実施.東日本大震災以後は,広くネットで情報を発信し,関西をはじめ被災地でも講演を続けている.また,京都OHANAプロジェクトのメンバーとして,被災地に中古の自転車を整備して届ける活動をおこなっている.
1943年生まれ.沖縄県在住.広島大学大学院理学研究科博士課程単位取得満期退学.理学博士.専攻は物理.琉球大学理学部教授,理学部長などを経て,2009年3月,定年退職.琉球大学名誉教授.2003年より,原爆症認定集団訴訟で「内部被曝」について証言をする.東日本大震災以後は,福島ほか,全国各地で講演をしている.
著書に『隠された被曝』(新日本出版社),『力学入門(6版)』(裳華房)などがある.
守田敏也(もりた・としや)
1959年生まれ.京都市在住.同志社大学社会的共通資本研究センター客員フェローなどを経て,現在フリーライターとして取材活動を続け,社会的共通資本に関する研究を進めている.ナラ枯れ問題に深く関わり,京都の大文字山などで害虫防除も実施.東日本大震災以後は,広くネットで情報を発信し,関西をはじめ被災地でも講演を続けている.また,京都OHANAプロジェクトのメンバーとして,被災地に中古の自転車を整備して届ける活動をおこなっている.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2012/3/7)
- 発売日 : 2012/3/7
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 72ページ
- ISBN-10 : 4002708322
- ISBN-13 : 978-4002708324
- 寸法 : 15 x 0.6 x 21 cm
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- - 5,705位臨床内科 (本)
- - 10,832位家庭療法・医学
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2014年11月2日に日本でレビュー済み
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2013年9月12日に日本でレビュー済み
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3・11の前に「隠された内部被曝」を出された著者が、直後の現地福島に入られた。今こそ、日本中の人々が、この守田敏也さんとの対談から学ぶ時だ!とお薦めします。未来を生きる子らの為に、いのちを守るために、今を生きる大人たちが「内部被曝」のことをもっと学ばねば!と、突き動かされた一冊です。
2012年9月25日に日本でレビュー済み
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これから、国民全員が関わっていくであろう、内部被曝。
福島だけの問題ではない現実と向き合っていくために、知っておくべき内容でした。
自分や家族を守るだけに留まらず、どのような声を上げてより良い社会を創っていくかなど、
広い視点で書かれている、対談形式のわかりやすい本でした。
福島だけの問題ではない現実と向き合っていくために、知っておくべき内容でした。
自分や家族を守るだけに留まらず、どのような声を上げてより良い社会を創っていくかなど、
広い視点で書かれている、対談形式のわかりやすい本でした。
2013年7月28日に日本でレビュー済み
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放射能の被爆について分かっているつもりでしたが、全く的外れな知識であったことが分かりました。内部被ばくがこうも恐ろしいものであることが、原発事故の前に周知されていれば、事故当時の対応が全く異なっていたであろうと思うと本を読んでいて悔しささえ覚えます。安価な本ですが内容は「今の日本に一番必要な本」と思えます。通勤の途中でも簡単に読める本なので、是非読んでみてほしいと思います。私はカバーをかけずに広げて、誰かの目に留まってくれればと思い、常に携帯しています。
2012年3月13日に日本でレビュー済み
本書は1943年生まれの物理学研究者に、1959年生まれのフリーライターが尋ねる形で、2012年に刊行した本である。本書によれば、第一に原子力の安全神話ゆえ、福島では放射線の防護用品や測定機器の準備がなく、災害弱者の犠牲や農地汚染の深刻化が生じた。第二に、避難が最善の防護であるが、郷土愛の強い人は逃げないため、著者は「開き直って楽天的になり、危機を見据えて最大防護をしつつ、皆で支え合う大きな利己主義」を指針とした。第三に、放射線は電離作用による分子切断と、その修復過程での異常再結合(遺伝子変成など)を引き起すが、三種類の放射線は透過性に違いがある。ただし、半減期と放射平衡によりどれが危険か一概には言えない。第四に、外部被曝はほぼガンマ線によるが、内部被曝は全ての放射線に関わり、局所集中的に遺伝子変性を起こしやすい(50頁のグラフも参照)。また、間接効果、バイスタンダー効果、ペトカウ効果なども考慮されるべきである。第五に、放射線リスク評価の国際的権威とされるICRPは、放射線被曝についての単純化(エネルギー量の大小のみ)と平均化、内部被曝の危険性の隠蔽を行い(医師の診断に悪影響を及ぼしている)、ECRRに批判された。また、ICRPの被曝限度値も実際には安全ではない。第六に、ICRPの評価のもとになっているデータは広島・長崎の原爆のデータであるが、それは米国の核戦略の下で歪められており、多くの被爆者と認定されない被爆者を生みだした。第七に、原発は潜在的な核開発施設として造られた。第八に、東北住民の苦しみに寄り添う必要がある。また、自主避難支援、汚染ゼロ食品の保証、非汚染地域での食糧大増産、原発敷地内への汚染された瓦礫の収納(焼却禁止)、公費での健康診断と治療等の政策が必要である。第九に、安価な放射線測定器は精度が高くないので注意すべきである。
2012年4月11日に日本でレビュー済み
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内部被曝の第一人者の矢ヶ'アさんとフリーライターの守田さんの対話形式になっており、わかりやすく読みやすいです。ひとつひとつ、丁寧に背景や科学的根拠が示され、納得のいく内容です。71ページというブックレットの限られたページだからこそ、ぎっちりお二人の伝えたいことが詰まっていました。 事故が起きてしまった中でどう生きていくかという提言もあります。
お手頃価格だし、コンパクトにまとまっており、おすすめです。
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2016年3月17日に日本でレビュー済み
外部被爆はガンマ(γ)線による全身へのまばらな被曝であり、内部被爆はアルファ(α)線とベータ(β)線による局所集中的な継続被曝です。
空気中でα線は4.5cm、β線は1m、γ線は70m透過します(体内では、α線4/100mm、β線1cm、γ線:人体を透過)。
透過性が高いほど危険な気がしますが、そうではありません。分子切断力は、到達範囲内で、α線:10万個、β線:2.5万個、γ線:はるかに少、となっています。α線は、進行中に分子を切断しまくるので、エネルギーを喪失して遠くまで到達しないのです。放射線のエネルギーが、原子どうしを結合している電子を弾き飛ばすことで分子を切断します。
なので、外部被曝では放射性物質から1m以上離れていれば、α線とβ線は無関係で、もっぱらγ線が問題となります。
一方、内部被爆では、α線とβ線が局所集中的に分子を切断することが問題となります。それらは、分子を刺し貫くというというより、「ギシギシと切断」し続けます。放射性微粒子の摂取が問題となるのはそのためです。よくいう低線量被曝という言いかたは、語弊があるでしょう。被曝メカニズムの「質的」違いを理解することが大切で、内部被曝とは、じつのところ低線量被曝ではなく<局所的高線量被曝>です。
外部被曝による「急性症状」は、γ線による多量の分子切断から生命機能が直接破壊されて生じます。一方、内部被曝では、分子切断を修復する際に生じる異常(異常再結合)から、「晩発性障害」が生じます。つまりDNAが変成(異常化)します。
DNAはいわば、体をつくる設計図であって、DNA変成とは、すでにある製品が壊されるのではなく、製品をつくる基になっている設計図が改竄されることを意味します。成長途上にある(細胞分裂の盛んな)子どもに影響が大きく、また被曝後、時間的に遅れて、しかも次世代になってからでさえ影響がでてくるのはそのためです。
以上が、外部被爆と内部被曝のメカニズムのおおまかな違いです。半減期がかかわる放射平衡や間接的な内部被曝の問題なども大切なことですが、割愛します。
内部被曝の検討・研究、そして問題は、日本への原爆投下の非人道性を隠蔽するため、そして補償範囲を狭めるために、戦略的に黙殺されてきました。
そのため内部被曝は、外部被曝にならって考えられ、その危険性は不当に低く見積もられています。「ヨーロッパ放射線リスク委員会」の試算では、現実には、内部被曝の危険は外部被曝の600倍だそうです。食品中放射性物質の基準値、1mSvは非常に危険。
例外的に、内部被曝による臓器への影響が議論される場合、科学的には、すでに述べたことから分かるように、半径4/100mmでの影響力を問題にすべきですが、臓器全体の半径数センチから十数センチに平均化して議論されてきました。
それはいわば、子どもがよく接する、公園の滑り台のしたにある水たまりがホット・スポットとなっているのに、計算上、分母を公園全体にとって全体にならして(平均化して)、低線量に見せかけるという手法です。公園全体(あるいはその町全体)の平均値でみて低線量でも、毎日、そのなかにあるホット・スポットに出かけていては、相当な被曝量となるはずです。内部被曝とは、体内にホット・スポットを抱え続けることに等しいのです。
内部被曝の被害にあい、くわえて被害へのあなたの認識は間違っていると糾弾される。この二重の理不尽さから受ける苦痛は、言語を絶すると思います。
東電救済ではなく被害者の救済を考えるべきでしょう。科学者は、「政治に基づいた(似非)科学」ではなく、「科学に基づいた政治」の実現を目指すべきでしょう。それが、金銭や出世ではなく真実を追求するはずの科学者の誠実さ、そして人としての道義にかなったことではないでしょうか。
空気中でα線は4.5cm、β線は1m、γ線は70m透過します(体内では、α線4/100mm、β線1cm、γ線:人体を透過)。
透過性が高いほど危険な気がしますが、そうではありません。分子切断力は、到達範囲内で、α線:10万個、β線:2.5万個、γ線:はるかに少、となっています。α線は、進行中に分子を切断しまくるので、エネルギーを喪失して遠くまで到達しないのです。放射線のエネルギーが、原子どうしを結合している電子を弾き飛ばすことで分子を切断します。
なので、外部被曝では放射性物質から1m以上離れていれば、α線とβ線は無関係で、もっぱらγ線が問題となります。
一方、内部被爆では、α線とβ線が局所集中的に分子を切断することが問題となります。それらは、分子を刺し貫くというというより、「ギシギシと切断」し続けます。放射性微粒子の摂取が問題となるのはそのためです。よくいう低線量被曝という言いかたは、語弊があるでしょう。被曝メカニズムの「質的」違いを理解することが大切で、内部被曝とは、じつのところ低線量被曝ではなく<局所的高線量被曝>です。
外部被曝による「急性症状」は、γ線による多量の分子切断から生命機能が直接破壊されて生じます。一方、内部被曝では、分子切断を修復する際に生じる異常(異常再結合)から、「晩発性障害」が生じます。つまりDNAが変成(異常化)します。
DNAはいわば、体をつくる設計図であって、DNA変成とは、すでにある製品が壊されるのではなく、製品をつくる基になっている設計図が改竄されることを意味します。成長途上にある(細胞分裂の盛んな)子どもに影響が大きく、また被曝後、時間的に遅れて、しかも次世代になってからでさえ影響がでてくるのはそのためです。
以上が、外部被爆と内部被曝のメカニズムのおおまかな違いです。半減期がかかわる放射平衡や間接的な内部被曝の問題なども大切なことですが、割愛します。
内部被曝の検討・研究、そして問題は、日本への原爆投下の非人道性を隠蔽するため、そして補償範囲を狭めるために、戦略的に黙殺されてきました。
そのため内部被曝は、外部被曝にならって考えられ、その危険性は不当に低く見積もられています。「ヨーロッパ放射線リスク委員会」の試算では、現実には、内部被曝の危険は外部被曝の600倍だそうです。食品中放射性物質の基準値、1mSvは非常に危険。
例外的に、内部被曝による臓器への影響が議論される場合、科学的には、すでに述べたことから分かるように、半径4/100mmでの影響力を問題にすべきですが、臓器全体の半径数センチから十数センチに平均化して議論されてきました。
それはいわば、子どもがよく接する、公園の滑り台のしたにある水たまりがホット・スポットとなっているのに、計算上、分母を公園全体にとって全体にならして(平均化して)、低線量に見せかけるという手法です。公園全体(あるいはその町全体)の平均値でみて低線量でも、毎日、そのなかにあるホット・スポットに出かけていては、相当な被曝量となるはずです。内部被曝とは、体内にホット・スポットを抱え続けることに等しいのです。
内部被曝の被害にあい、くわえて被害へのあなたの認識は間違っていると糾弾される。この二重の理不尽さから受ける苦痛は、言語を絶すると思います。
東電救済ではなく被害者の救済を考えるべきでしょう。科学者は、「政治に基づいた(似非)科学」ではなく、「科学に基づいた政治」の実現を目指すべきでしょう。それが、金銭や出世ではなく真実を追求するはずの科学者の誠実さ、そして人としての道義にかなったことではないでしょうか。
2016年1月4日に日本でレビュー済み
丁寧なレビューが多いので、ザックリと。
読んだ印象は、放射線は(無)生物兵器なんだ!ってことです。
私はサリンやVXガスが人体にどのような影響を与えるか、よく知りません。それらは1つ、2つの数値で理解できるようなものでなく、医学的な理解も必要なちょっと複雑なものです。
そういう意味で放射線はサリン等と似てるんだ、という印象を本書から受けました。
問題は、今や放射性物質がそのへんに飛んでることです。サリンやVXガスがそのへんに飛んでるってなったら、どんな低濃度だろうと今より危機感をもつだろうなって思います。
科学的数値を理解するには、その前提となる基準・理論の理解が不可欠であり、本書は放射線が人体に与える影響について、その理論を提供しています。
分かりやすく簡潔です。
今読まなくてもいいから買いましょう。
そして、いずれ、不可逆的に手遅れにならないうちに読みましょう。
読んだ印象は、放射線は(無)生物兵器なんだ!ってことです。
私はサリンやVXガスが人体にどのような影響を与えるか、よく知りません。それらは1つ、2つの数値で理解できるようなものでなく、医学的な理解も必要なちょっと複雑なものです。
そういう意味で放射線はサリン等と似てるんだ、という印象を本書から受けました。
問題は、今や放射性物質がそのへんに飛んでることです。サリンやVXガスがそのへんに飛んでるってなったら、どんな低濃度だろうと今より危機感をもつだろうなって思います。
科学的数値を理解するには、その前提となる基準・理論の理解が不可欠であり、本書は放射線が人体に与える影響について、その理論を提供しています。
分かりやすく簡潔です。
今読まなくてもいいから買いましょう。
そして、いずれ、不可逆的に手遅れにならないうちに読みましょう。