2012年、弁護士・日隈一雄氏の著書です。
本書は、原発をめぐる政府・東電の具体的対応を振り返りながら、制度・システムの矛盾・欠陥の改善方法を探る1冊です。
目次は、
「1, 情報は誰のものか」「2, 誰のための官僚か -『主権在官』の実態」「3, 司法の限界」「4, 主権者として振る舞うために」となっています。
主権在官や司法の限界については、他レビューで書かれているので、私は、「4, 主権者として振る舞うために」について書きます。
民主主義、主権在民というシステムでは、市民1人1人が主権者となります。
では、私たちは、主権者として機能しているのでしょうか? 民主主義リテラシーを持っているのでしょうか?
本書の中に、
諸外国では「主権者教育・シチズンシップ教育」「メディア・リテラシー教育」が熱心に行われている旨が記載されています。
民主主義は、市民の力によるボトムアップ的なシステムです。
民主主義を前提とするなら、真に民主主義を支持するならば、
上記2つの教育は行われていて当然であると思いますし、国を向上させるためには必須です。
原発を巡り、記者クラブという名の大本営発表、メディア・コントロールといった問題点が、浮き彫りになっていますが、
私は、「義務教育課程こそ、我が国最大のメディアである」と考えてます。
日本人の識字率が高いのは、義務教育課程のおかげです。
一方、民主主義リテラシー、メディア・リテラシーについては、日本人は全然明るくないと思います。
これは、「民主主義を機能させるレベル未満の教育」が行われているということではないでしょうか?
大人社会に、あるいは教育現場に、シチズンシップ、グッドシチズンという概念はあるのでしょうか?
「フクシマの事故は、主権者たる国民1人1人の歩みを、具現化したものである」ような気がしてなりません。
国民1人1人の良心が、一国の良心を形成する。。。そんな国、そんな時代を創りませんか? 国民1人1人の手で、民主主義的に!!!
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「主権者」は誰か――原発事故から考える (岩波ブックレット) 単行本(ソフトカバー) – 2012/4/13
日隅 一雄
(著)
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福島原発事故後、市民に伝えられるべき情報の多くが隠され、誤った説明が繰り返され、国民不在の場で様々な基準が決められていった。なぜ、これほどまでに「主権者」である国民がないがしろにされたのか。政治家、官僚、メディア、専門家、そして東電などによる事故後の対応を振り返りながら、その構造的問題点を指摘する。
- 本の長さ54ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2012/4/13
- ISBN-104002708306
- ISBN-13978-4002708300
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2012/4/13)
- 発売日 : 2012/4/13
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 54ページ
- ISBN-10 : 4002708306
- ISBN-13 : 978-4002708300
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,217,757位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 146,989位社会・政治 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2012年7月21日に日本でレビュー済み
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2013年6月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日隅氏の問題提起に未だにこたえられていない我々日本人。
氏の生き様も含め大切な一冊です。
氏の生き様も含め大切な一冊です。
2013年2月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
真摯な目線で真摯に問いかける姿勢に、生き方への勇気すら湧いてくる本です。
2014年8月18日に日本でレビュー済み
たかだか54ページの冊子なのに、大変重要なことが端的に述べられている。
「国民主権」というものが「基本的人権の尊重」「戦争放棄・平和主義」と並んで現日本国憲法における3つの基本原理のひとつであること、「国民主権」とは「国を治めていく力が、国民全体にあること」という定義を確認した上で、2011年3月の福島第一原発事故が生じた時の具体例において、政府と東京電力は何故「国民主権」をないがしろにした対応をとってきたのか、ということについて的確な考察と解説をしている。その上で、どうすれば「国民主権」を実現できるかについていろいろ提言をしている。
4つの章に分けて著者が問題にしているのはおおよそ下記の通り。
1) 情報公開について(情報管理の悪さ、議事録のない会議、記者クラブだけに限った非公開の記者会見、作為的な情報の不開示、情報開示の仕方 等)
2) 官僚の役割について(国民の生命・健康の安全第一で動いたか、ということへの疑念。経産省という組織への日常的疑念。原発に関わる各省庁間の問題-規制と推進の部門が分離していなかった。天下りによって生じる問題。オンブズマン制度の必要性。国会による監視。マスメディアの健全な批判精神の必要。)
3) 司法の限界について(原発推進という国策に逆らうような判決を一裁判官として出すことの難しさ。行政庁は正しいもの、という先入観。司法と行政の人事交流にも問題あり-司法権の独立は守れるか? 裁判官にも政治的および市民的自由を。
裁判官を任期制でなく終身雇用に。原発差し止め訴訟等では、裁判官が勝訴判決を書き易いような環境づくりを。)
4) 主権者として振る舞うために(間接民主主義の限界をどうする? 自ら判断できる為に必要な情報を得られること。国会での自由闊達な議論を通じて市民の意思が政策に反映できること。行政を監視するシステムの必要。国民が主権者として振る舞うための教育の必要。)
私見としては、「メディアリテラシー教育」の項で触れられているが、学校教育の中にディベートを取り入れ、身近な問題から政治的世界的大状況に至る問題についても、賛否両論を理性的に主張し合い、合理的な結論を導くと同時に相手の主張にも留意し、互いの関係にも配慮する、という訓練ができればいい、しかもそれを楽しんで出来れば、と切に思う。自分の中学校での体験では、普段眠そうにしている者たちがみな生き生きとこのディベートという初めての体験を楽しんだのである。
「国民主権」というものが「基本的人権の尊重」「戦争放棄・平和主義」と並んで現日本国憲法における3つの基本原理のひとつであること、「国民主権」とは「国を治めていく力が、国民全体にあること」という定義を確認した上で、2011年3月の福島第一原発事故が生じた時の具体例において、政府と東京電力は何故「国民主権」をないがしろにした対応をとってきたのか、ということについて的確な考察と解説をしている。その上で、どうすれば「国民主権」を実現できるかについていろいろ提言をしている。
4つの章に分けて著者が問題にしているのはおおよそ下記の通り。
1) 情報公開について(情報管理の悪さ、議事録のない会議、記者クラブだけに限った非公開の記者会見、作為的な情報の不開示、情報開示の仕方 等)
2) 官僚の役割について(国民の生命・健康の安全第一で動いたか、ということへの疑念。経産省という組織への日常的疑念。原発に関わる各省庁間の問題-規制と推進の部門が分離していなかった。天下りによって生じる問題。オンブズマン制度の必要性。国会による監視。マスメディアの健全な批判精神の必要。)
3) 司法の限界について(原発推進という国策に逆らうような判決を一裁判官として出すことの難しさ。行政庁は正しいもの、という先入観。司法と行政の人事交流にも問題あり-司法権の独立は守れるか? 裁判官にも政治的および市民的自由を。
裁判官を任期制でなく終身雇用に。原発差し止め訴訟等では、裁判官が勝訴判決を書き易いような環境づくりを。)
4) 主権者として振る舞うために(間接民主主義の限界をどうする? 自ら判断できる為に必要な情報を得られること。国会での自由闊達な議論を通じて市民の意思が政策に反映できること。行政を監視するシステムの必要。国民が主権者として振る舞うための教育の必要。)
私見としては、「メディアリテラシー教育」の項で触れられているが、学校教育の中にディベートを取り入れ、身近な問題から政治的世界的大状況に至る問題についても、賛否両論を理性的に主張し合い、合理的な結論を導くと同時に相手の主張にも留意し、互いの関係にも配慮する、という訓練ができればいい、しかもそれを楽しんで出来れば、と切に思う。自分の中学校での体験では、普段眠そうにしている者たちがみな生き生きとこのディベートという初めての体験を楽しんだのである。
2012年4月22日に日本でレビュー済み
2011年3月11日の東日本大震災によって起った福島第一原子力発電所の過酷事故。
その後、連日連夜、東京電力・政府・原子力安全保安院の合同記者会見に参加し続け、隠された真実を追求し、数々の真実を私たちの目の前にまで運んで下さった日隅一雄さんと木野龍逸さん。
弁護士で人権問題に取り組んでこられた日隅さんが【「主権在官」を打破し、私たちの社会をつくるために】と、書き下ろしたブックレット。薄い冊子ですが、中味は考えさせられる事が多い。
「司法の限界」の中で、「もんじゅ訴訟」に関わった最高裁判事の言葉が紹介されている。「行政庁の言うことは基本的に正しいという感覚」という言葉に接し、「カルト教団の感覚と同じ」と感じました。「霊的指導者の言うことは基本的に正しい」として、信者たちは、霊的指導者に依存し、その結果、搾取されてゆく。
司法の世界やカルト教団ばかりではなく、「お上の言うことは正しい」と隷従するのは、今の日本の社会に暮らす私たちのひとりひとりの感覚ではないでしょうか。
福島原発事故は、その事故自体や原発の是非だけではなく、ひとりひとりが自らの頭で考え、「主権者」として立ってゆくことの大切さを教えてくれ、社会の在り方を考え直させてくれる出来事であったと思いました。
このブックレットは、その事を解りやすく、読みやすく、論点を整理しながら、解説してくれる教書として、多くの皆さんに読んで貰えることを願ってやみません。
その後、連日連夜、東京電力・政府・原子力安全保安院の合同記者会見に参加し続け、隠された真実を追求し、数々の真実を私たちの目の前にまで運んで下さった日隅一雄さんと木野龍逸さん。
弁護士で人権問題に取り組んでこられた日隅さんが【「主権在官」を打破し、私たちの社会をつくるために】と、書き下ろしたブックレット。薄い冊子ですが、中味は考えさせられる事が多い。
「司法の限界」の中で、「もんじゅ訴訟」に関わった最高裁判事の言葉が紹介されている。「行政庁の言うことは基本的に正しいという感覚」という言葉に接し、「カルト教団の感覚と同じ」と感じました。「霊的指導者の言うことは基本的に正しい」として、信者たちは、霊的指導者に依存し、その結果、搾取されてゆく。
司法の世界やカルト教団ばかりではなく、「お上の言うことは正しい」と隷従するのは、今の日本の社会に暮らす私たちのひとりひとりの感覚ではないでしょうか。
福島原発事故は、その事故自体や原発の是非だけではなく、ひとりひとりが自らの頭で考え、「主権者」として立ってゆくことの大切さを教えてくれ、社会の在り方を考え直させてくれる出来事であったと思いました。
このブックレットは、その事を解りやすく、読みやすく、論点を整理しながら、解説してくれる教書として、多くの皆さんに読んで貰えることを願ってやみません。
2013年7月17日に日本でレビュー済み
過剰に放射性物質の傷害性を吹聴し、かつその言説の責任を一切とらない者たちが跋扈している現状において、事故から2年以上がたった現在、放射性物質による直接の死者は0であることから、パニックを避けるためにの当時の政府の対応がいかに正しかったかが理解できる。
主権というのは司法を食い物にしている輩のためにあるのではない。
主権というのは司法を食い物にしている輩のためにあるのではない。
2012年4月29日に日本でレビュー済み
『検証 福島原発事故記者会見−東電・政府は何を隠したのか』(岩波書店)で、東京電力福島原子力第一発電所の事故後の東京電力や政府の情報隠蔽を逐一暴き出した著者による、更なる問題提起の本である。病気の身を押して発信を続ける著者に心から敬意を表したい。本書が明らかにしたのは、原発事故への対応を通じて、日本の主権者は国民ではなく、官僚および官僚と結託した大企業やマスコミ(テレビ・新聞)が支配している「偽装民主主義国家」であることだ。
東電や政府の情報隠蔽への言い訳は、「パニックを避けるために」だが、とんでもない。事故後の放射能拡散情報に見られるように、情報隠蔽の本質は、住民を犠牲にしてでも事故を小さく見せようとする官僚主義的体質である。この体質は経済産業省だけでなく、環境省や文部科学省など中央官庁の他、被災地の地方自治体にまで深く浸透しており、「官僚主権国家」の本質が原発事故や震災をきっかけに露わになったと考えるとよく分かる。
このような悲しむべき国家体質は一朝一夕に出来上がったものでなく、明治以来の国家体制に組み込まれた、極めて根が深いものである。戦後政治に関しては、政治家や官僚に政治・行政を丸投げし、監視を怠ってきた国民一人一人にも責任がある。民主主義を国民自らの手で勝ち取ったことがないからといえばそれまでだが、本書の著者が主張するように、あらゆる局面で行政の情報公開を求めることが、地味ではあるが、その第一歩と言えるだろう。
東電や政府の情報隠蔽への言い訳は、「パニックを避けるために」だが、とんでもない。事故後の放射能拡散情報に見られるように、情報隠蔽の本質は、住民を犠牲にしてでも事故を小さく見せようとする官僚主義的体質である。この体質は経済産業省だけでなく、環境省や文部科学省など中央官庁の他、被災地の地方自治体にまで深く浸透しており、「官僚主権国家」の本質が原発事故や震災をきっかけに露わになったと考えるとよく分かる。
このような悲しむべき国家体質は一朝一夕に出来上がったものでなく、明治以来の国家体制に組み込まれた、極めて根が深いものである。戦後政治に関しては、政治家や官僚に政治・行政を丸投げし、監視を怠ってきた国民一人一人にも責任がある。民主主義を国民自らの手で勝ち取ったことがないからといえばそれまでだが、本書の著者が主張するように、あらゆる局面で行政の情報公開を求めることが、地味ではあるが、その第一歩と言えるだろう。
2012年7月29日に日本でレビュー済み
項目ごとにとても分かりやすい語り口の文章で丁寧に説明してあり、遅読の私でも一気に2日で読めました。学校教育の教材にすればよいのにと思いました。若い時に読みたかった!でも今からでもちゃんと主権の事を考えて行動を起こしていこうと思いました。