本書は基本的に「住基ネットや携帯電話は登録するだけで行動と思想を監視され、有事法制や言論統制の正当化に繋がる」などという、技術的根拠や事実確認を無視した妄想のオンパレード。ネット空間の「監視」といっても、セキュリティ・プロバイダ関連の会社は日本には無数にあり、会社ごとに異なる技術も多数あります。それら全ての会社と政府が癒着し、全従業員を統制する上に情報を監視するのは事実上不可能です。
この人はIT利用者を尽く敵視しますが、ITは今や多くの中小企業に恩恵を与え、複数の病院や介護施設に関する情報を瞬時に得られます。私の祖母のように、ネットで介護施設を検索するお年寄りは少なくないでしょう。今後住基ネットが普及すれば、平日の昼間にお年寄りが役所まで足を運ぶ必要もなくなります。そういう人たちに尽く「国家に支配されたがる人々」というレッテルを貼りかねない斎藤氏。これだけでも彼の考えがいかに理不尽で独善的かよくわかるのではないでしょうか。
国家による監視の可能性などは事実上0ですが、情報の漏洩や改ざんが起こる危険性はあります。しかしそれなら暗号化等によりセキュリティ技術を高めれば良いだけの話。セキュリティ技術を高めるには、利用者のアクセス内容はある程度プロバイダが把握せざるを得ません。それが嫌なら送信しなければいい。しかしそれでリスクを回避できる分、アクセスから得られる利益も放棄しなければなりませんが。
インターネットや携帯電話を第三者から見られないよう安全に使用するのは、どれだけセキュリティを向上できるかにかかっています。セキュリティに少しでも関心がある方には、坂村健氏や榎並利博氏の著書をお勧めします。それでも「監視」されるのが一切嫌な方は、免許証もパスポートも廃棄なさった方がよろしいでしょう。
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小泉改革と監視社会 (岩波ブックレット NO. 573) 単行本 – 2002/7/19
斎藤 貴男
(著)
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小泉政権は「徹底した規制緩和」による改革を唱えているが,その一方で,メディア規制,国民総背番号制,街中に増殖する監視カメラなど規制強化も進んでいる.なぜか.この国はいまどのような方向に変えられようとしているのか.
- 本の長さ63ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2002/7/19
- ISBN-104000092731
- ISBN-13978-4000092739
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2002/7/19)
- 発売日 : 2002/7/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 63ページ
- ISBN-10 : 4000092731
- ISBN-13 : 978-4000092739
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,978,806位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 15,320位政治入門
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年10月19日に日本でレビュー済み
2003年10月8日に日本でレビュー済み
「グローバリズム」の掛け声の下、小泉政権下で経済の自由化が進行しているのに反し、精神的自由がどんどん狭められて行くプロセスを、具体的事例を元に話を進めている本です。
経済の「グローバル化」が進むと何故、個人の精神的自由が狭められていくのか?
筆者は、「経済至上主義自由主義」が守るものは、決して個人の自由や生命ではなく、多国籍化した巨大企業の利益を守る為に、その利益を侵害する者に対しては、「監視カメラ」、「住民基本台帳」、「ICカード」等に散らばっている個人情報を一元化することによって、監視の対象にしてしまうのだ。と警告します。
更に筆者は、1990年代後半以降、犯罪検挙率低下やセンセーショナルな凶悪事件報道の連続で、国民の間に「安全の為な!ら自由を侵しても構わない。」と言う意識が台頭している事や、インターネットやバイオメトリックス(生物工学)の発達により、「それらの恩恵を享けている現在の状態を保つ為には監視カメラを備えるのも止むを得ない。」と言った意識が台頭している事も「監視社会」へと導いていく小泉政権を後ろからバックアップしているのではないか、と分析します。
私の視点からすると、なるほど現状の「安楽」に安住している限り、それが排除の論理に結びつきかねない事を、この本は適切に指摘しているように感じました。
経済の「グローバル化」が進むと何故、個人の精神的自由が狭められていくのか?
筆者は、「経済至上主義自由主義」が守るものは、決して個人の自由や生命ではなく、多国籍化した巨大企業の利益を守る為に、その利益を侵害する者に対しては、「監視カメラ」、「住民基本台帳」、「ICカード」等に散らばっている個人情報を一元化することによって、監視の対象にしてしまうのだ。と警告します。
更に筆者は、1990年代後半以降、犯罪検挙率低下やセンセーショナルな凶悪事件報道の連続で、国民の間に「安全の為な!ら自由を侵しても構わない。」と言う意識が台頭している事や、インターネットやバイオメトリックス(生物工学)の発達により、「それらの恩恵を享けている現在の状態を保つ為には監視カメラを備えるのも止むを得ない。」と言った意識が台頭している事も「監視社会」へと導いていく小泉政権を後ろからバックアップしているのではないか、と分析します。
私の視点からすると、なるほど現状の「安楽」に安住している限り、それが排除の論理に結びつきかねない事を、この本は適切に指摘しているように感じました。
2005年10月25日に日本でレビュー済み
斉藤さんの捉える社会像は、
様々な選択肢の中から最も悲観的なものを選んで構成されているとは思います。
いろいろな例から帰納的に論じているようでいて、
実際はご自分の持つ価値観から演繹的に述べているとも感じます。
とはいえ、大多数の人が多忙かつ細分化された役割の下で暮らし、
朝刊と夜のニュースのつまみ食いくらいでしか世の中の動きをフォローしていないうちに、
とんでもない事態が進行する可能性は否定できないと思います。
優れた技術やシステムも、
扱う者次第で我々に害悪をもたらすのは歴史の証明するところです。
事実「この国のかたち」を考える仕事を託されている人たちの言動は、
時に信じられないほど愚かではないでしょうか?
本書を全面的に支持するわけではありませんが、
これくらいの危機感を頭の片隅に置かずに生きていくのも、
あまりにナイーブだと思います。
様々な選択肢の中から最も悲観的なものを選んで構成されているとは思います。
いろいろな例から帰納的に論じているようでいて、
実際はご自分の持つ価値観から演繹的に述べているとも感じます。
とはいえ、大多数の人が多忙かつ細分化された役割の下で暮らし、
朝刊と夜のニュースのつまみ食いくらいでしか世の中の動きをフォローしていないうちに、
とんでもない事態が進行する可能性は否定できないと思います。
優れた技術やシステムも、
扱う者次第で我々に害悪をもたらすのは歴史の証明するところです。
事実「この国のかたち」を考える仕事を託されている人たちの言動は、
時に信じられないほど愚かではないでしょうか?
本書を全面的に支持するわけではありませんが、
これくらいの危機感を頭の片隅に置かずに生きていくのも、
あまりにナイーブだと思います。