ホーム > 商品詳細

書評掲載
丸善のおすすめ度

解体新書「捕鯨論争」

石井 敦  著

在庫状況 お取り寄せ  お届け予定日 1週間  数量 冊 
価格 \3,300(税込)         

発行年月 2011年05月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 20,321p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/生命科学、医学、農学/農学/水産業
ISBN 9784794808707
商品コード 1002743152
NDC分類 664.9
基本件名 捕鯨
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2011年06月2週
書評掲載誌 朝日新聞 2011/07/17、朝日新聞 2014/06/15
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1002743152

著者紹介

石井 敦(著者):東北大学東北アジア研究センター准教授。国立環境研究所アシスタントフェローを経て、2004年10月より現職。専門は国際関係論・科学技術社会学。学術研究としての理論構築と実際の政策決定への貢献が両立できる研究を目指している。

内容

「真実が靴を履く間に、嘘は地球を半周する」
 これはマーク・トウェインによる箴言である。そして、捕鯨問題ほど、この箴言が当てはまるものはない。捕鯨問題に関する報道や書籍、インターネット上の情報はほとんどすべてと言っていいほど、「捕鯨推進VS反捕鯨」という対立図式で描かれている。そのどちらの立場にも与せずに真実を知ろうとすると、大きな壁が立ちはだかる。だからこそ、批判作業を通してタテマエを崩し、ホンネを探ることによってのみ、捕鯨論争の真実に迫ることができるのである。
 それを実践したのが本書である。本書は反捕鯨・捕鯨推進、そのどちらにも与しない中立的な立場をとり、日本の捕鯨問題にかかわっている主要な組織すべてを検証した。検証の内容も、鯨類科学から、反捕鯨運動、新聞報道、国際政治、日本の捕鯨外交に至るまで多岐にわたっており、捕鯨問題の総合知をめざした検証を展開していることが本書の特徴となっている。
 タテマエをあばき、ホンネに迫るという意味では、本書のスタンスは市民オンブズマンの活動と共通点が非常に多い。両者ともに批判的検証を通じてタテマエを崩し、ホンネ=実態に即して事象を腑分けする作業を行っていると言える。こうした検証型の研究を「オンブズマン型研究」と名づけたいと思う。
 本書では、反捕鯨国を含めた諸外国に対する批判は行っていない。そうした批判のためには大規模な国際的調査研究チームを組織しなければならず、紙幅にも限りがあるからである。しかし、結果として反捕鯨国を批判していないという事実によって、本書が「反捕鯨本」というレッテルを貼られる可能性は否定できない。それでも私は、この本を手にとって下さったみなさんが、本書を貫いている検証の姿勢を理解し、安易なレッテル貼りをすることなく、個々に問題を判断していただけるものと確信している。(いしい・あつし)

目次

カート

カートに商品は入っていません。