内容説明
今日、国際資本取引の自由化と証券化は、サブプライムローン問題のように国際的金融不安を生みだし、大きな経済危機の可能性を秘めている。米国の対外経済戦略によって形成された今日のグローバリズムは、何を目指すのか。米国による金融覇権はいかにして形成されたのか。米国による戦後の、国民経済を軸とするケインズ的経済システムの構築から、今日の多国籍企業による、金融を通じて富を蓄積する米国経済政策の劇的転換までをたどり、その要因と結果の問題点、日本への影響、ラテン・アメリカにおける対抗戦略の試み、国際公共機関のあり方などを考える。
目次
1 現代グローバリズムの歴史的前提(米国はどのように国際経済システムを構築したか;戦後米国は世界をどのように作ろうとしたか;米国企業は、いかにして多国籍企業となったのか)
2 現代グローバリズムは、どのように形成されたのか(外国為替システムはなぜ変動相場制になったのか;現代企業はどのように投資を行うのか;現代多国籍企業の投資論理とは;現代多国籍企業の組織と行動)
3 現代グローバリズムは何をめざすのか(多国籍企業と自由な投資システム;米国型金融システムと金融不安定性;国際金融不安定性の形成メカニズム)
4 現代グローバリズムとどのように向き合うか(日米経済摩擦と日本の構造改革;米国の主導するグローバリズムへの対抗戦略)
著者等紹介
萩原伸次郎[ハギワラシンジロウ]
1947年、京都市生まれ。1976年、東京大学大学院経済学研究科博士課程単位修得退学。1978年、横浜国立大学経済学部助教授。1989年、横浜国立大学教授。1990~91年、米国マサチューセッツ大学経済学部客員研究員。2000~02年、横浜国立大学経済学部長。現在、横浜国立大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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