内容説明
本書は、三重県鳥羽市から和歌山県田辺市の紀伊半島沿岸部を対象に、当該地域の特性を踏まえ実施したグロットグラム(地点×世代)調査の結果を掲げ、表現法や語彙、言語意識といった観点からその特色を探りながら考察した論文集である。大阪や名古屋といった都市のことばがその周縁部である紀伊半島沿岸のことばにどのような影響を与えているか、豊富な関連資料と多角的な視点から分析し、その言語変化のプロセスとメカニズムを明確にしている。
目次
本書の企画と調査概要
紀伊半島周縁部の方言分布と地域特性
紀伊半島沿岸におけるアスペクト表現の変異
紀伊半島沿岸部における打消表現
無敬語地帯の素材待遇表現について―鳥羽市~田辺市間グロットグラムと『大阪のことば地図』からの考察
引用形式「ト」相当形式の使用実態―GAJとの比較から
近畿周辺部におけるモダリティ表現の分布と変化
紀伊半島沿岸の可能表現の地理的変異と多様性
紀伊半島南部における原因・理由を表す接続助詞―GAJおよび『近畿言語地図』との比較を通じて
紀伊半島南部における「疲れた」という意味を表す語の変遷について〔ほか〕
著者等紹介
岸江信介[キシエシンスケ]
1953年生。文学士。愛知大学文学部文学科国文学専攻卒。現職:徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部教授
太田有多子[オオタウタコ]
1955年生。文学士。椙山女学園大学文学部国文学科卒。現職:椙山女学園大学国際コミュニケーション学部助手
中井精一[ナカイセイイチ]
1962年生。博士(文学)(大阪大学)。大阪外国語大学大学院日本語学専攻修了。現職:富山大学人文学部教授
鳥谷善史[トリタニヨシフミ]
1964年生。修士(言語文化学)。大阪外国語大学大学院言語社会研究科博士前期課程修了。現職:天理大学文学部国文学国語学科ほか非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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