内容説明
6人に1人が貧困の時代、自己責任論では社会は衰退する。社会に広がる貧困を直視し、声なき声に耳を傾けること―。それが解決の第一歩となると信じ、困窮する人々に寄り添うように取材したルポルタージュ。背景にある制度の不備や構造的問題も平易に解説した、貧困問題の格好の入門書。
目次
第1章 悲しき奨学金
第2章 老いて追われる
第3章 非正規スパイラル
第4章 子どもたちのSOS
第5章 18歳の肖像
第6章 年金プア
第7章 内なる国境
第8章 がんサバイバー
終章 「新貧乏物語」に込めた思い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キク
50
今の日本は、本当に些細なことで貧困に陥ってしまう社会なんだということが伝わってくる。よく「自己責任」と言われるけど、丁寧な取材で浮かび上がる人々を自己責任という言葉だけでは処理出来ないと思う。生活保護を受けるために、離婚届で法律上の別世帯になる必要があった老夫婦。大学奨学金という実質的な借金に苦しみ「奨学金救済サイト」を覗いてみたら、最終的にはAVプロダクションの募集サイトにたどり着いた女子大生。年金支給が始まり生活保護を打ち切られ、医療費の自己負担増で破綻した元職人、、、その痛みは他人事とは思えない。2021/10/02
ヒデミン@もも
37
市図書館。社会福祉論の課題。4社読んだ連載本の中で、連載以外のプラスされた内容が一番良かった。連載中に不正な記事があったのが残念。一度ついたイメージはなかなか拭えない。マスコミだけでなく貧困社へのイメージダウンをどう責任を取るのか。その罪は重い。2017/07/30
カッパ
12
日常のほんの少し先にある貧困。誰しもが他人事でない気がしました。癌、奨学金、親の死、だけではなく。老化などもそのきっかけになる。これからの時代、いかに不慮の事態でも切り抜けられる自分であるか。それが大事だと思う。心配しすぎて保険などでがんじがらめになるのも違うと思うからである。2020/02/14
りょう
5
普通に暮らしたいだけなのに、すぐそこにある大きな穴に、偶然はまっちゃったのは、ぜーんぶ自己責任なの??現代の貧困ってこんなに分かりにくく、見えにくく複雑なんだ。中日新聞の連載をまとめたもの。今を知る必要をつくづく思う。2017/11/26
じょんたん
4
色々と考えさせられた本です。2020/03/04