内容説明
室町期公武関係はどのように形成されたのか。足利義教期までを対象に、室町期に通底するその規定要因を探る。南北朝内乱など、武家がさまざまな政治課題に直面する中で、公家と接触していったことが、公家社会にいかなる変容をもたらし、室町期特有の在り方を形成したのかを解明。幕府の「権限吸収」に替わる新たな公武関係の枠組みを構築する。
目次
室町期公武関係論の現状と課題
第1部 公武関係の形成と南北朝内乱(室町期における公事用途調達方式の成立過程―「武家御訪」から段銭へ;軍事政策としての半済令;南北朝期公家社会の求心構造と室町幕府;南北朝期公家社会の「忠節」について―二通の足利義詮書状から)
第2部 公武関係の展開と室町殿権力(室町殿権力と朝儀;室町殿権力と公家社会の求心構造)
第3部 室町期公家社会の変容(左馬寮領と治天・室町殿;源氏長者独占体制の成立過程;万里小路家の台頭)
室町期公武関係の基本構造
著者等紹介
松永和浩[マツナガカズヒロ]
1978年熊本県に生まれる。2008年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。現在、大阪大学総合学術博物館助教・博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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