出版社内容情報
なぜアメリカは日本へ原爆を投下したのか。改めて先行研究のすべてを整理のうえ、開発から使用までの内政・外交の全政治過程を分析。
山田 康博[ヤマダヤスヒロ]
山田 康博(大阪大学大学院国際公共政策研究科教授)
目次
第1章 原爆開発をめぐるアメリカ対外関係
第2章 ローズヴェルト大統領の原爆使用方針
第3章 新大統領トルーマンの原爆使用をめぐる検討課題―原爆の対日使用問題とその国際関係への影響
第4章 対日戦終結をめぐる国際関係と原爆―ポツダム会談前夜
第5章 ポツダムにおける米英ソ首脳外交と原爆の対日使用へ向かう最後の過程
補章 アメリカはなぜ異なった2種類の原爆を日本に対して使用したのか
著者等紹介
山田康博[ヤマダヤスヒロ]
大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPP)教授。広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期中退。フルブライト奨学生(1990年‐92年)。博士(国際公共政策、大阪大学)。大阪外国語大学講師、同助教授、大阪大学大学院准教授をへて現職。専門は現代アメリカ対外関係史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カラコムル711
1
原爆投下には様々な説があるが、決定版となる書である。製造の経過、投下の決定など一次資料で精密に解読している。 アインシュタインの手紙が原爆製造を決めさせたのではなく、戦争終了までに製造できる兵器と判明したからこそ作ったこと、使用に反対した政府・軍関係者は皆無だったこと。人体実験として降伏をわざと遅らせ投下したなどは俗説であること。ソ連要素はあったが、日本を降伏させるのが第一目的であり、トルーマンは原爆のみで降伏させられるとは思っていなかった。ソ連参戦も本土決戦も必要と思っていたことなどがわかる。 2018/04/10