内容説明
当時の日本学最高峰が編んだ外国人向け旅行案内書から、東京近郊ルートを取り上げ再編。懇切丁寧なガイドによって、明治初年の東京・横浜・鎌倉・箱根・伊香保・日光がいきいきと甦る。
目次
東京とその郊外(麹町;日本橋 ほか)
横浜とその周辺(横浜;横浜の周辺地域 ほか)
箱根、宮ノ下、その近隣(箱根;近隣を歩く ほか)
伊香保、草津、その周辺(伊香保;高崎から草津へ ほか)
日光とその周辺(日光;日光の歴史 ほか)
著者等紹介
庄田元男[ショウダモトオ]
1933年東京生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。電源開発株式会社、株式会社電発コール・テックを経て、現在、研究紀要『善本春秋』主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
21
古きよき日本の喪失(30頁~)。蕃書調所:異国人の書物を吟味する場所(45頁)。日本一の金泥の漆塗りと八角堂 (60頁~)。110頁~の地図は結構細かくて驚かされる。浦賀は水飴の生産地として有名(150頁)。ペリー来航しか 知らなかった。解説によると、細密工芸を賛美し、欧化風建築を否定(362頁~)。 2015/03/24
アメヲトコ
9
英国の外交官アーネスト・サトウらが1881年に刊行した日本旅行案内のうち、東京とその近郊(横浜・鎌倉・箱根・上信・日光)を取り上げた部分を抜粋したもの。サトウは佐藤ではなくSatowで、れっきとした英国人ですが、日本人だとだませそうなくらい叙述内容は浩瀚で、彼の卓越した語学力と博覧強記ぶりがうかがえます。当時の二子玉は鮎の名所で、舟に乗りながら漁をのんびり見物していたとか、今となっては隔世の感。2020/01/16
Sosseki
1
いやいや驚いた!神代の昔からの歴史や、自然の様子、交通の便や値段や時間の案内、宿の案内、名勝や史跡の説明の細かいこと!外交官にはこの調査能力と観察能力が必要なのか、一種のスパイとしての役割があったのか、とにかく、物凄い情報量と緻密さだった。頭の良い人だったのだろうが、体力・気力、好奇心も凄かっただろう。2018/02/11