日本語で読むということ

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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480815019
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

なぜ『日本語が亡びるとき』は書かれることになったのか?そんな関心と興味にもおのずから応える、ここ二十年の間折にふれて書きつづられたエッセイ&批評文集。

目次

1 本を読む日々(「善意」と「善行」;パンよりも必要なもの―文学全集の愉しみ ほか)
2 深まる記憶(数学の天才;美姉妹 ほか)
3 私の本、母の本(『續明暗』のあとに;『續明暗』―私なりの説明 ほか)
4 人と仕事のめぐりあわせ(作家を知るということ;「個」の死と、「種」の絶滅―加藤周一を悼んで ほか)

著者等紹介

水村美苗[ミズムラミナエ]
東京に生まれる。イェール大学および大学院で仏文学を専攻。のち、創作の傍らプリンストン大学などで日本近代文学を教える。著書に、『續明暗』(1990年、芸術選奨文部大臣新人賞)、『私小説 from left to right』(1995年、野間文芸新人賞)、『本格小説』(2002年、読売文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寛生

45
【図書館】水村独特の音が聴こえる。初めて聴く音に魅了されながら、それがなぜかは容易に釈明できない。何でもないようなどこにでもあるような音であり、そうでない。その音色はとても丁寧であり、こちらもその音色に取りつかれる。秀でた文学がそうそう簡単に翻訳できないように、水村の文体は翻訳されようとすることを拒む時空をつくりだす。キリストは書かなかったが読んだという水村の《読み》。文士であるパリサイ人たちに旧約にはこう書いてあるじゃないかと堂々と言いしめた読者キリスト。書くという行為と読む行為の密接性を強調する。2014/09/30

ロマンチッカーnao

29
『日本語が亡びるとき 』を論文としたら、本書はエッセイですね。しかし、文学に関する知性は凄まじく、どの文章からも文学作品に関する限りない愛情を感じます。水村さんの文体が僕にあうのかわかりませんが、ボーと眺めているだけでも心安らぎます。2016/08/18

よし

13
「本を読む日々」では、子ども時代の読書遍歴が興味深い。「銀の匙」の名作のゆえんが、「美しく生きる」姿にあること。「細雪」が、「美しい着物を着たり、美味しいものを食べたりして遊んでいるだけの小説・・」といってはばからないのも面白い。また「続明暗」、「本格小説」などの自作の小説についての考察や出来上がる過程の思いや苦労話もよかった。作家の生き方や人となりを知ることは、作品をより深く掘り下げていく上でとても意義深い。尊敬してやまない加藤周一の本を読みたくなった。2016/09/28

大竹 粋

8
水村さんの「日本語が滅びる時」に出会い、水が気持ち良く流れる文章に圧倒され、あっと言う間にファンになり、人となりに触れる事が出来そうなこの「日本語で読む・書く」シリーズにたどり着いた。 なんだか、彼女のお母さまではないが、死ぬまでに一本物を書きたくなったかもしれない。2021/08/01

Nobu A

6
「日本語で書くということ」と対になった水村早苗のエッセイ・評論集。内容も知らずに手に取った一冊。前著の「日本語が亡びるとき」(本文で述べているアイオワ大学在籍だったのにはとても親近感が湧く)があまりにも衝撃的だったので、ちょっと意外だったが、筆者の生い立ちや人間形成に影響したものを垣間見ることができるのは興味深い。バイリンガル(程度は不明だが)だからか、小説家というのがこういうものなのか、筆致に独特なものを感じる。2015/06/08

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