ちくま学芸文庫
お世継ぎのつくりかた―大奥から長屋まで江戸の性と統治システム

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  • サイズ 文庫判/ページ数 283p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480093202
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0121

内容説明

江戸時代―上は将軍家から商家・農家・職人に至るまで、優秀な後継者が立つかどうかは一族郎党の生存に関わる一大事、後継者選びは社会システムの要であった。では具体的にどうしていたのか。性をどのように管理/開放していたのか。優秀な子どもを得るためにどんな努力、あるいは淘汰があったのか。その成功と失敗、挫折と弊害とは。多くの子どもを儲けて彼らを存分に活用した家康の発想、大奥“お世継ぎ戦争”の負の遺産の数々から、お妾という習俗の本質、貧乏長屋住人の性意識まで、性と子造りを通して江戸の統治システムを浮かび上がらせる、仰天の歴史読みもの。

目次

第1章 メカニズム
第2章 武家の相続人
第3章 血統のアウトソーシング
第4章 適材適所の稼業繁昌
第5章 徳川の維持
第6章 借り腹のツケ
第7章 お世継ぎの行方

著者等紹介

鈴木理生[スズキマサオ]
1926年、東京生まれ。都市史研究家。地形学・考古学の視点から実証的に都市史をとらえ直し、都市の形成と変遷、流通、交通体系など多角的に論じている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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bapaksejahtera

4
著者は常に蒙を啓く。歴史的な常識に我々がいかに無知であるか愕然とするのだ。我が国中産以上の階級は凡そ戦前まで女系支配の許にあった。女系が合理的であるからだ。例証として本書では明治百年事業で見事に失敗に終わった東京の老舗大店当主座談会を記す。旦那衆は悉く養子ゆえ幼時東京を知らなかった。他方武家は元和偃武で「封」という領地や生産システムを維持するため歴史上初の男権支配体制に移行する。新システムの維持には当主に性的苦行を求め配偶者群達には手厚い配慮を示した。陰間茶屋の機能の一つはこれである。誠に目覚ましき書かな2020/07/14

紫暗

2
徳川政権がどのようにして婚姻を利用し、太平の世を作っていったか。大奥で行われていたお世継ぎを確保するための非道。男子を得るための副産物として誕生してしまう女子がどのように扱われたか。などなど。将軍家に生まれた子供達はもちろんのこと、商家の継承についてまで幅広く面白く読める一冊です。2014/01/14

ふろんた

0
徳川家は政権安定のためとはいえ、子を多くつくることに精を出していたという話にはちょっとひく。長男相続は武家社会の話で商家は長女相続が基本だったらしい。2017/04/24

rinrin3

0
タイトルにつられて読んだけれども…期待していた内容とはちょっと違ったかも。2014/07/08

nur1202

0
タイトルから想像するような性的な内容はほとんどなく、徳川家がいかにして子供を政治的に活用してきたか、と言うような話。 市井の話はほとんど出てこないので注意が必要ですね。 徳川家に関するワイドショー的な楽しみ方をすると良いかも。(^^2017/01/23

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