出版社内容情報
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内容説明
後悔せずに生きるには、毎日をどう過ごせばよいか。「思索する読書人」兼好が自由な心で書き綴った珠玉の随筆。独創的な断章スタイルは精神の運動を活発にさせ、生きられる時間の短さに警鐘を打ち鳴らす記述と、柔軟でユーモアに富む記述とを自在に往還する。明晰な言語感覚と、全方位に開かれた視界。この世の全てを相対化し、虚無の陥穽から身を翻す兼好。そこから新しい『徒然草』の顔が見えてくる。振舞いと心遺いが文化の本質であり、いまを生きる喜びこそが虚無をも越える最良の手段なのだ。混迷する現代にあって、大人ゆえにいま味わえる人生の達人の文学を、流麗な訳文と新校訂原文で構成。
目次
徒然なるままに
いでや、この世に
古の聖の御代の
万にいみじくとも
後の世の事、心に忘れず
不幸に、愁へに沈める人
我が身のやんごと
化野の露、消ゆる時無く
世の人の心惑はす事
女は、髪のめでたからん〔ほか〕
著者等紹介
兼好[ケンコウ]
1283年頃‐1352年頃。鎌倉時代末期から南北朝にかけての激動期を生きた文学者。神道の家柄である卜部家の出身。若き日に後二条天皇に仕えたが、三十歳頃までに出家。無常の認識と人生の生き方を、とらわれのない目で綴った『徒然草』は、日本文学史上屈指の名品。また、歌人としても活動して、「和歌四天王」の名声を博す。晩年は、古典の書写にも名筆を揮った
島内裕子[シマウチユウコ]
1953年生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。同大学院修了。博士(文学)。放送大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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