ちくま学芸文庫<br> 反オブジェクト―建築を溶かし、砕く

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ちくま学芸文庫
反オブジェクト―建築を溶かし、砕く

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  • サイズ 文庫判/ページ数 291p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480092175
  • NDC分類 520.4
  • Cコード C0152

内容説明

自己中心的で威圧的な建築を批判したかった―。周囲の環境から乖離したオブジェクト的なる建築。それらは、建築史と思想史というパラレルな2つの潮流の中で繰り返し台頭する“オブジェクト中心主義”、つまり主体(サブジェクト)と客体(オブジェクト)の分裂と相克から誕生した。デカルト以降の思想史的パースペクティブから現代建築を捉えなおし、「消去する」「粒子へと砕く」などの試みを通して、新たなる可能性を拓く。世界中で進行中のプロジェクトで、いまもっとも注目を集める著者による、思索と宣誓の書。書下ろし自著解説付。

目次

第1章 接続する事―日向邸
第2章 流出する事―水/ガラス
第3章 消去する事―亀老山
第4章 極少とする事―森舞台
第5章 線へほどく事―ベネチア・ビエンナーレ
第6章 転倒する事―劇場の反転
第7章 電子に置換する事―慰霊空間
第8章 粒子へ砕く事

著者等紹介

隈研吾[クマケンゴ]
1954年、神奈川県生まれ。東京大学大学院建築学専攻修了。コロンビア大学建築・都市計画学科客員研究員などを経て、隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授を経て、2009年4月より東京大学教授(建築学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

10
一流の建築物なのか見分ける眼識の有無を問う格付けチェック攻略に対応とは言わないけど、現代建築を巡る思考をうかがい知れる本。主体の視点と客体にされる空間とが分裂し、その分裂を乗り越えようとしたデカルトやカントやヘーゲルの哲学とともに建築デザインがたどった軌跡についての論は明晰。芸術屋が現代思想をすぐ乗っ取るこの国では造形分野とセットで現代思想を学ばないといけない感じなので、建築の輪郭を溶解させて周囲に埋没させる反オブジェクトの試みを通して、オブジェクト再評価に転じた現代実在論手前までの流れをチェックできる。2020/01/05

ラウリスタ~

6
建築やっている人に、コルビジュエ好きなんですよ、って言ったら、ふって顔をされて、私は隈さんが好きですね、って言われたことを思い出した。この本は、バブルが弾けた後の建築が悪者とされていた時代に、オブジェクトとして屹立してきた建築に対しての、反発として書かれた本。かなり、頭でっかちなんだけれども、フォトジェニックな建築が席巻した20世紀建築に無批判に感動していたことに気づかされた。存在感のない、建築。モニュメントでない建築。ただ、紹介された建築に実用に供されたものがないので、どうなんだろう。2015/06/30

Koichi Tamura

5
隈研吾さんの、曰く「海底の一番深い場所」にいた頃書かれた本。「建築は時代遅れの無用の長物であり、粗大ゴミであるという認識がこの本を貫いている。」自著解説が面白い。2016/01/09

くるくる。

3
建築史の先生が絶賛していた本。読む価値あり。建築とは、人と世界とを媒介するもの。時間性をどう組み込むべきか。しかしそういった思想もまた、メディアと個人の相互作用によって生まれるマス的な価値観によって評価されるのならば、まあまあ甲乙つけがたい。2019/11/04

くらひで

2
外部環境から切り取られ、単体でその存在感を威圧的に放つ近代的建築物=オブジェクト。商業的なインパクトを見せしめ、映像的で確かに美しさを感じられる。その一方で、その存立基盤の脆弱さ、時間的・空間的な重み・深みの欠如感を覚える。日本の都市に目をやると、そのような表層的で浅薄なオブジェクトが乱立する。その結果としてのごちゃごちゃした街並み。歴史や文化に対する意識の欠如し、それを無視して創造することが斬新で革新的と自惚れる性を持っているのが芸術家・建築家であるとの世間の評価に警鐘を鳴らす。著者の哲学観に感服する。2014/11/28

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