ちくま学芸文庫
論理的原子論の哲学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 294p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480090966
  • NDC分類 133.5
  • Cコード C0110

内容説明

二〇世紀初頭、急速な科学進歩の中で構築されたラディカルな存在論、それが「論理的原子論」である。この考え方に立てば、世界は原子的事実を最小単位として、複合的に関係づけられて構成されており、分析によって論理的原子へと切り分けることができる。ウィトゲンシュタインの前期著作『論理哲学論考』とともに、言語分析こそが哲学であるという観点を提唱し、分析哲学の始まりを告げた、現代哲学史上あまりに有名な講義録。記述理論、タイプ理論、事実の存在論など、ラッセル哲学のトピックスも平明に紹介された基本文献の本邦初訳。

目次

第1講義 事実と命題
第2講義 個物、述語、関係
第3講義 原子命題と分子命題
第4講義 信念など、一つ以上の動詞を伴う命題と事実
第5講義 一般命題と存在
第6講義 記述と不完全記号
第7講義 タイプ理論と記号法―クラスについて
第8講義 形而上学への寄り道―何があるのか

著者等紹介

ラッセル,バートランド[ラッセル,バートランド][Russell,Bertrand]
1872‐1970年。イギリス生まれ。ケンブリッジ大学で数学・哲学を学ぶ。ホワイトヘッドとの画期的な共著『プリンキピア・マテマティカ』によって数学基礎論に貢献。記号論理学を大成するとともに存在論・認識論に適用し、分析哲学の始祖として二〇世紀哲学の流れを決定づけた。社会評論や倫理問題に関する著作も数多い。1950年、ノーベル文学賞受賞

高村夏輝[タカムラナツキ]
1972年、大阪生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。自由学園講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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coaf

6
講義の割には難解。命題関数やタイプ理論は興味深い。ヴィトゲンシュタインを読んだ後だとやや素朴な議論に感じる。日常言語を理想言語に近づけようとする試みがこじつけを生んでいる。ラッセル自身も色々混乱していたように思う。理解が困難な理由の一端がそこにあると思う。2013/10/10

Akiro OUED

2
ソクラテスは存在する、じゃなくて「x=ソクラテス」という命題関数を真にする事実があったというべき、とラッセルは語る。「x=一角獣」が偽になるなら、「x=ソクラテス」も偽になる。何せ、プラトンの著作の中にしか登場しないからね。「存在」の意味に混乱しつつも楽しく読める好著。2022/03/09

ハンマルモフ

2
第4講義辺りからすでにきつい。哲学的活火山。2015/07/11

ryota

1
解説のいうとおり語りは平易だが理解は簡単ではない。けど面白い。言語の分析なんて無味乾燥という印象は良い意味で裏切られた。確かに大事だ。クラスとかタイプという言葉がぼんやりしたまま読んでしまったのが勿体無い感じ。数理哲学の方にもいってみたい。古い訳しかないようだけど。。2014/11/09

おなかム

0
フランス国王はハゲ。2012/12/13

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