出版社内容情報
家族史の視座から孤児院や児童保護史においてエポックメイキングな時代に焦点をあて、近代家族・子ども規範の多層性を読み解く。
内容説明
16世紀英国ロンドンの孤児・貧児収容施設、18世紀米国フィラデルフィアでの貧児教育、19世紀末英国の子ども処遇の科学化、明治期日本の慈善事業の孤児院、20世紀初頭植民地朝鮮、20世紀初頭米国カリフォルニア移民社会、そして戦後期日本の孤児院・児童養護施設―孤児院・児童保護や家族形成上のエポックメイキングな時代に焦点をあて、近代の家族・子ども規範の多層性を読み解く。
目次
序章 子どもの「救済」の歴史を問う視角
第1章 「救済されるべき子ども」の発見―一六世紀英国における貧民救済の再編と孤児院
第2章 救済と教育―一八世紀後半フィラデルフィアの弱者救済活動にみる子ども・教育・家族
第3章 「子どもを育てる親」像の規範化と「子ども期の科学化」の内実―二〇世紀転換期英国における児童保護の展開に焦点をあてて
第4章 近代日本の児童保護にみる孤児の創出―明治期上毛孤児院における孤児像と家庭規範
第5章 「アメリカ化」から「日系人の子どもは日系人の家に」―羅府日本人人道会から南加小児園への展開(一九一二‐一九五二年)を中心に
第6章 植民地朝鮮における私設孤児院の「隘路」―嶺南共済会(慶北救済会)の設立運営に焦点を当てて
第7章 孤児の公的救済におけるフロイト主義の関与―戦時期から一九六〇年代における欧米学説の日本への移入過程を中心に
著者等紹介
土屋敦[ツチヤアツシ]
1977年生。東京大学大学院人文社会系研究科社会学専門分野博士後期課程修了。博士(社会学)。現職、徳島大学大学院社会産業理工学研究部/総合科学部社会学研究室准教授
野々村淑子[ノノムラトシコ]
1965年生。東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻博士課程修了。博士(教育学)。現職、九州大学大学院人間環境学研究院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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