新潮文庫
ラストドリーム

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  • サイズ 文庫判/ページ数 488p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101345208
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

真っ暗な穴のなかへ落ちてゆく夢を見た。青函トンネルを走る列車で目覚めた時、彼は自分自身を失っていた。あてどなき魂の旅が始まった。ライバルと競った若き時代。徒手空拳で海外事業に挑んだあの頃。少女にいざなわれた炭鉱町の最盛期。そして、妻と過ごしたかけがえのないとき―。時空を行きつ戻りつしながら、男は人生の意味を噛みしめる。大人のための、ほろ苦い長篇小説。

著者等紹介

志水辰夫[シミズタツオ]
1936(昭和11)年、高知県生れ。’81年、『飢えて狼』でデビュー。’85年『背いて故郷』で日本推理作家協会賞を受賞。’91(平成3)年『行きずりの街』で、日本冒険小説協会大賞を受賞する。さらに、2001年『きのうの空』で、柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tsuyoshi

75
おそらく初読みの作家さん。主人公・長渕が列車内で記憶を失う冒頭から助けた男・秋庭とのやり取りや秋庭の過去の闇、長渕の企業戦士時代の栄枯盛衰、ライバルたちの動向、妻との出会いから死別までの経緯など。時系列がバラバラで読みにくかったが、それぞれの話は面白く、引き込まれるものがあった。2018/03/02

gonta19

21
2007/8/31ジュンク堂住吉シーア店にて購入。 2013/2/11~2/16 久しぶりのシミタツ作品。細かいことは書くまい。シミタツ節にただ浸るのみ。2013/02/16

とみぃ

7
「きみ去りしのち」「行きずりの街」に続き志水氏3作目。夫婦・同僚・ヒーリング施設・東南アジアでのえび養殖・炭鉱の最盛衰退…と拡がりを見せたが、どれも”栄枯盛衰”、”因果応報”的な戒めのみで、尻窄み感が…。著者の世界観なのか、無常と哀愁に支配された…漠然とした虚しさに包まれる読後感。/彼の地を訪うことが最後の儚い夢だとしたら、長渕の後半生は虚し過ぎるのでは。/「生まれ変わっても貴方とは結婚しない」と何度も断言しまう妻明子の頑迷さも、嫌いではないではないが、遺して逝く連合いへの言葉としてはかなり手厳しい。2013/10/13

YOMIPITO

4
シミタツの落穂拾い。 これを発表した頃は年配男性をテーマに「男坂」、「うしろ姿」とかの短編集が多かったからその系統。中高年男性向け。 タイトルからは「最後に一花」のアクティブな展開が予想されるけど、展開を探り探り進んでしまうとちょっと損。(桐野さんの作品ではないが)タイトルを「猿が見る夢」とするのがふさわしいような、夢や希望を抱くわけでもない男たちの人生の物語なので、じっくりの登場人物の気持ちを推測して、ラスト味わうべし。2024/02/07

redmove

1
ガンで妻に先立たれた元商社マン長渕の過去と北海道でコミュニティを主宰する秋庭と出会ったことをきっかけに起きた出来事を交互に描く。本作者の作品はこれが初めて。文章自体は読みやすいが時系列の行き来が多くて分かりにくい。内容は面白いところもあるが全体的には物足りなさを感じる。いまいち合わなかったというのが正直なところ。残念。2018/10/28

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