岩波新書<br> 戦争と検閲―石川達三を読み直す

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戦争と検閲―石川達三を読み直す

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  • サイズ 新書判/ページ数 279,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004315520
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

戦前から戦後に度重ねて検閲を受けていた達三。一体何が、どう問題とされたのか?言論統制の実像を追う。

内容説明

「生きている兵隊」で発禁処分を受けた達三。その裁判では何が問われたのか。また、戦後のGHQの検閲で問われたこととは?公判資料や本人の日記、幻の原稿など貴重な資料を多数駆使して、言論統制の時代の実像に迫る。取材し報道することの意味を問い続けて来た著者が抑えがたい自らの問いを発しながら綴る入魂の一冊。

目次

第1章 筆禍に問われて
第2章 ××さ行きてくねえ
第3章 戦争末期の報国
第4章 敗戦と自由

著者等紹介

河原理子[カワハラミチコ]
1961年東京生まれ。1983年東京大学文学部社会心理学科を卒業して朝日新聞記者になる。社会部などで働き、雑誌『AERA』の副編集長、文化部次長、編集委員、甲府総局長などをする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

39
石川達三の『生きてゐる兵隊』が検閲で発禁処分を受けた、文学史上有名な事件の経緯を詳細に調べ上げた。戦前の検閲制度の実態と裁判の有様は初めて知る話だが、同時に社会問題に取材した作品を書き続けた石川の根幹が見えてくる。きれいごとや忖度を嫌い、真実を追求する作家の厳しさを描き出す。自由がない時代に苦労した経験あればこそ、逆に自由が過剰になった戦後の状況に疑問を感じることも多かったのか。猥褻表現の自由は譲ってよいとした「二つの自由」論は物議を醸したが、自由が当たり前か否か身に染みて知る人と知らない人の断絶を思う。2020/11/17

壱萬弐仟縁

36
社会派作家の書いたものと裁判記録を手がかりに、新聞紙法を中心に検閲/言論統制の流れをさかのぼり、終焉までをたどる、無謀な調査の記録(ⅺ頁)。近藤一等兵は、生命とはこの戦場にあってはごみ屑のようなものであるという(58頁~)。新聞紙法:定期刊行物を含み新聞紙が掲載したものが安寧秩序を紊乱したと当局がみなせば違反に問える、取り締まる側には便利な法律(71頁)。武漢作戦に、朝日新聞社だけで4百人の記者、航空部隊、伝書バト係を動員した(社史116頁)。検閲:自己規制を促す装置(144頁)。 2015/10/13

おさむ

34
有名な小説「生きている兵隊」の筆禍事件だけでなく、第1回芥川賞の「蒼氓」にも伏せ字があったこと、戦後はGHQによる検閲で連合国批判を書いた作品の公表が禁止されたこと、筆禍事件の後は再び従軍作家になり名誉回復を図ったことなど、初めて知るエピソードも多い本でした。戦前と戦後で180度変わる社会の価値観に作家としての石川達三も翻弄されたんですね。自由な小説が書かれ、それを自由に読める現代日本の「平和」を再認識しました。 2015/12/09

かふ

21
石川達三についてよりも(『生きている兵隊』はまだ読んでいないので)検閲というシステムの話が興味深い。日露戦争の後に(「日比谷焼き討ち事件」が契機となった)新聞法ができたときに小新聞はほとんど潰れていった。自由民権運動がまだ盛んな頃でそういう小冊子とか多かったのだと思うが政府に楯突く言論を弾圧した。そのとき平民新聞なんかも潰れていくのだが、大手メディアとされる大新聞が危機感を持たなかった。いわゆるエロ・グロ・ナンセンスを売りにする大衆紙が潰れ、大手新聞は発行部数を伸ばす。権力に忖度するのだ。2021/09/07

浅香山三郎

15
石川達三といふ作家は、最初の芥川賞受賞者といふ程度くらいにしか知らなかつた。「生きてゐる兵隊」といふ小説も、国語の資料集の文学年表に載つてゐたくらいで、発禁事件のこともちやんとは知らない。 さういふ前提で読んだのだが、本書は小説「生きてゐる兵隊」の内容を始め、当時の検閲の仕組み(法規と運用)、処分と達三の戦中・戦後と事件を通じて、戦争下の表現の抑圧と事実の秘匿の問題を掘り下げる。のみならず、戦後のGHQ検閲の実態にも詳しい。 大陸の戦争をありのままに書かうとした達三の肝の据わつた真面目さ・愚直さは凄い。2017/08/14

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