出版社内容情報
世界の食料問題から日本農業の問題まで,農業・食料に関わる疑問・関心は多岐にわたる.その理解のためには,食料・農業・農村の「実態に関する知識」と,考えを進めるための「経済学的な理論」とが必要である.第5版では最新のデータを用いて,こうした「知識と理論を組み合わせた体系」である農業経済学を基礎から学ぶ.
■著者からのメッセージ
本書の旧版を講義に使用した際に学生さんからは,いままで釈然としなかった食料・農業問題の“なぜ”が経済学の基礎知識と簡単な数式・グラフだけで理解できたという喜びの声が多くあり,また,同僚の研究者からは,これだけ体系的な農業経済学のテキストはなかなか見当たらないし,何らかの主張をするための偏った論理展開に陥らずに淡々と,これだけ複雑かつ高度な内容の本質を損なうことなく平易に解説するというのは尋常ではない,といった声がありました.
このように,本書の旧版は,複雑な食料・農業・農政問題を,理論と実態の双方をしっかりと踏まえて,中立的・体系的に,高度な内容のレベルを損なわずに,極めて平易に理解できるように解説した農業経済学テキストの決定版として絶大な支持を得てきました.これだけの比類なき内容を持つテキストを,アップデイトしつつ後世に引き継いでいくことが農業経済学者の責務であると痛感し,僭越ながら,前回第4版の改訂から共著者に加わらせていただきました.そして現在,第5版を鋭意準備中です. 2020年3月には読者の皆様に最新の内容でお届けできる予定ですので,今しばらくお待ちください.
鈴木宣弘
内容説明
世界には食料不足に苦しむ多くの人々がいる一方、日本では米が余りながらも食料自給率が下がりつづけているのはなぜか。日本の農業は経営規模が小さく大型農業機械が使いづらく効率が悪い。欧米のような規模の大きな効率のよい農業経営はなぜできないのか。どうして食の安全に関わる問題が多発するのか。TPPのようなFTAやEPAによって日本の農業はどのような影響を受けるのか。こういった農業に関わる疑問・関心は多岐にわたる。それを理解するためには、食料・農業・農村の「実態に関する知識」と、その知識をもとに考えを進めるための「経済学的な理論」とが必要である。この本ではこうした「知識と理論を組み合わせた体系」である農業経済学を最新のデータや図を用いて基礎から説明する。
目次
経済学と農業的世界
食料の需要と供給
農業生産と土地
農業の経営組織
農産物の市場組織
農産物貿易と農業保護政策
世界の人口と食料
食生活の成熟とフード・システム
農業の近代化
資源・環境と農業
日本の農業と食料
農業政策と農業経済学
著者等紹介
荏開津典生[エガイツフミオ]
1935年生まれ。59年東京大学農学部農業経済学科卒業。東京大学・千葉経済大学名誉教授。農学博士
鈴木宣弘[スズキノブヒロ]
1958年生まれ。82年東京大学農学部農業経済学科卒業。東京大学大学院農学生命科学研究科教授。農学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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