書物誕生 あたらしい古典入門
『孫子』―解答のない兵法

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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000282901
  • NDC分類 399.2
  • Cコード C0310

内容説明

はなばなしい戦史もなく、必勝の極意もない。二四〇〇年前に生まれたそんな小さな書物が、今なお「最高の兵法書」でありつづけるのはなぜか。注釈を施した三国志の英雄曹操、旗印とした武田信玄から、一八世紀のイエズス会士、アメリカ海兵隊指揮官、労働組合活動家にいたるまで、おびただしい数の読者はそこに何を読み取ったのか。前近代中国・日本における受容はもとより、近現代における世界的規模での「聖典化」にも着目、広い視野のもとに『孫子』の読書史を追跡する。さらに、平安時代写本『群書治要』に収録された『孫子兵法』、勝敗を決定づける原理を解明する「形篇」「勢篇」、現存最古の翻訳である西夏語訳などをとりあげ、その珠玉のことばを味読する。

目次

第1部 書物の旅路―不敗への欲望(戦いの言語化―『孫子』の原型;成立と伝承;日本の『孫子』―江戸時代末期まで;帝国と冷戦のもとで)
第2部 作品世界を読む―辞は珠玉の如し(帝王のために―『群書治要』巻三三より;形と勢―永禄三年の読み;不確定であれ―銀雀山漢墓出土竹簡「奇正」;集団と自然条件―西夏語訳『孫子』より)

著者等紹介

平田昌司[ヒラタショウジ]
1955年、島根県生まれ。1981年、京都大学大学院博士後期課程中退。現在、京都大学大学院文学研究科教授。中国語学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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さとうしん

5
『孫子』の受容史、作品世界の講読ともに『孫子』の解説としてはかなり風変わり。日本では江戸時代まで兵書としては『六韜』『三略』の方がよく読まれていたとか、西洋での受容も近代日本と関連付けられる形であったという指摘が面白い。講読の部分も『群書治要』に引かれたものとか西夏語訳とか、受容のあり方を意識したものとなっている。2021/01/11

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