椙山女学園大学研究叢書<br> 作法学の誕生

椙山女学園大学研究叢書
作法学の誕生

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  • サイズ B6判/ページ数 263p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784921146979
  • NDC分類 385.9
  • Cコード C0076

内容説明

本書は作法学に関する既出の論文を再編集したもので、内容別に三部構成にした。第一部「作法学の構想」は作法学についての概論である。そこでは作法を学問として、すなわち作法と称される評価命題の集合を分析的に記述するための概念装置および研究の手順と方向などを述べている。第二部は、作法学の適用・各論の例として、既存の作法書(テキスト)から、作法の要素を抽出し、それらの構造とそれを支えている価値観をあぶり出すことを試みた。ただし、作法書(作法構造体)全体を分析するには至らず、作法学的研究の例示として、テーブルマナーと男性ファッションについてのみを扱っている。第三部は、テーブルマナーのようなすでにテキスト化された作法ではなく、作法書にはいまだ取りあげられていないような、人々に内面化された暗黙段階の作法構造体を抽出し、そこから構造的・明示的な作法を構成することを試みた。いわば作法が凝結し生成する過程の例である。そこでは、電車内乗客のふるまいについての女子学生による観察・評価結果をデータとして、女子学生集団が電車内での禁忌・理想とみなす所作の潜在的な構造・価値観を抽出してみた。したがって電車内における実用的作法のサンプルとして読むこともできる。

目次

第1部 作法学の構想(作法とは何か;作法学の基本概念;作法学の構成)
第2部 既存作法の構造分析(テーブルマナーの構造;男性服装規範における格の問題)
第3部 新しい作法の構成―電車内姿勢をめぐる暗黙の作法の構造化(電車内姿勢の美的評価(男性編;女性編))

著者等紹介

山根一郎[ヤマネイチロウ]
筑波大学比較文化学類卒業。筑波大学大学院心理学研究科修了。杉野女子大学短期大学部非常勤講師を経て、現在は椙山女学園大学文化情報学部助教授。専門は社会心理学。小笠原宗家礼法総師範。気象予報士
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