日本的自然観の研究〈1〉形成と定着

日本的自然観の研究〈1〉形成と定着

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  • サイズ A5判/ページ数 558p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784896947816
  • NDC分類 121.08
  • Cコード C3321

内容説明

「日本の自然」と「日本人の自然観」との関わりを、明晰な方法論に基づき分析・検証する著者畢生のライフワーク。劈頭を飾る本巻では、記紀万葉から説話に至る諸文献を博捜し、伝統的自然観の基層を再検証する。

目次

序論 自然観と文学的象徴(伝統的自然観のイデオロギー性;花と文学的象徴)
第1部 日本的自然観のパラダイム―その定立の条件(日本的自然観の文化史概要;「自然の発見」から「自然観の受容」へ;日中律令学制の比較学問史的考察;律令知識階級における自然観学習の一過程―専制支配のもとでのウメ・モモ・サクラの見かた;『懐風藻』の芸文儀礼だ“自然観の体系”;『万葉集』の政治的思考―自然観の基底にあるもの;「花鳥風月」は人間関係のアナロジー;『古今和歌集』の自然観を分析する)
第2部 日本的自然観の形成と定着(「文章経国」「君臣唱和」の世界―勅撰三漢詩集の自然観;『性霊集』―空海という“全人的芸術家”の足跡;『西宮記』―“漢籍援用の思考”が生んだ自然観;『菅家文草』―“古代詩歌”的自然観の完成と解体;『枕草子』―“類聚的思考”の定着と再創造;『源氏物語』における“春夏秋冬”の存在論的意味;『栄花物語』―極楽浄土の現実化=世俗化;『大鏡』―“風流者”の美学的模索;『歌合集』―“中国起源”の遊戯的要素;『新撰朗詠集』の遊宴世界;雑草、雑木、そして雑芸;『今昔物語集』に見る“日本化の過程”)