クリティーク叢書
売春という思想

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  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784787231826
  • NDC分類 368.4
  • Cコード C0336

出版社内容情報

売春婦たちのパフォーマンス・アートとプラトンのテクストが時代を超えて遭遇する。覇権的言説での「他者」である女、さらにその周縁に位置する「他者の他者」とされる売春婦=哲学者の視点から、ヒエラルキーを突き崩し、ポジティブな性と身体を構築しなおす。

謝辞

1 売春婦の身体を読み、書き、書き直す
(1)ポストモダニズム
(2)手法

2 プラトンのテクストからヘタイラを読む
(1)哲学するクリトリスの立場から読む
(2)フェミニズムのプラトン解釈
(3)神聖娼婦とその世俗化した後継者――ヘタイラ
(4)神聖娼婦の墓――『饗宴』
(5)風刺劇(バーレスク)の華――『メネクセノス』における売春婦弁論家
(6)『国家』第五巻――再読
(7)結論

3 近代における売春婦の身体の成り立ち
(1)ブルジョワジーのアイデンティティと「私でないもの(Not-I)」
(2)シャルル・ボードレール――近代の寓喩としての売春婦
(3)パラン=デュシャトレ――新たな人類学類型としての売春婦の誕生
(4)ウィリアム・アクトン――悪い売春婦の道徳的類型学
(5)「伝染病予防法イギリス王立委員会」――売春婦の身体の制度化
(6)性的なものとなった売春婦の身体――病理学と倒錯
(7)結論

4 売春婦の身体を書く――フェミニズムによる再生産
(1)売春――公的な性の契約
(2)欲望、快楽、そして売春
(3)売り物としての二つの唇
(スパシアのサロンからスプリンクルのサロンまで

原注
参考文献一覧

売春婦というキーワードから見た私たちの状況――訳者あとがきに代えて/越智道雄

内容説明

売春婦たちのパフォーマンス・アートとプラトンのテクストが時代を超えて遭遇する。覇権的言説における「他者」たる女、さらにその周縁に位置する「他者の他者」たる売春婦=哲学者の視点から、性と身体を捉え直す。

目次

第1章 売春婦の身体を読み、書き、書き直す
第2章 プラトンのテクストからヘタイラを読む
第3章 近代における売春婦の身体の成り立ち
第4章 売春婦の身体を書く―フェミニズムによる再生産
第5章 売春婦の身体を書き直す―売春婦の展望
第6章 売春婦のパフォーマンス―女性の身体の聖祭理論家たち

著者等紹介

ベル,シャノン[Bell,Shannon]
1955年、カナダ・マニトバ州生まれ。ヨーク大学政治科学博士号取得、ウィニペグ大学文学士号取得。インディアナ大学助教授。専攻は古典政治理論、女性学理論、法理論。Bad Attitude/s on Trial:Pornography,Feminism,and the Butler Decision.(未邦訳)Whore Carnival.(邦訳『セックスワーカーのカーニバル』第三書館)

山本民雄[ヤマモトタミオ]
1950年、東京都生まれ。一橋大学教員。訳書に『ツイスター』(共訳、竹書房)ほか

宮下嶺夫[ミヤシタミネオ]
1934年、京都府生まれ。日本翻訳家協会会員。訳書に『真珠湾攻撃』(小学館文庫)ほか

越智道雄[オチミチオ]
1936年、愛媛県生まれ。明治大学教授。『幻想の郊外』(青土社)ほか
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