内容説明
光の中に誕生し、光の中で成長しつつある子どもたちは、光を体内に吸収し、それぞれの「生きる悩み」によっていくらか歪められているとはいえ、あくまで透きとおったプリズムによってそれを分光し、画面にそのスペクトルを表出する。われわれはそれを児童画とよぶ。本書はその児童画から本体のプリズムの構造を探知した帰納経過を説明し、このプリズムの特性と機能を、演繹的方法を用い、精神分析学的に、あるいは発達学的に取り扱った。さらにそれが人間をとりまく環境と現象を理解するための重要な鍵としての役割を果たすことを、社会学的にあるいは倫理学的にのべたものである。
目次
第1編 色彩生理心理学(色彩生理心理学と問題;構造的衝動 ほか)
第2編 衝動と性格形成(死と生の衝動(黒と緑)
性格的傾向とその形成)
第3編 衝動論的社会学(個人心理学と社会心理学;自由主義社会(赤) ほか)
第4編 衝動論的倫理(自由(赤)と愛(赤))
著者等紹介
浜畑紀[ハマハタオサム]
岐阜大学教育学部卒、米国アーカンソー州立大学大学院心理学科卒、M.Ed.。中部女子短期大学助教授、聖徳学園岐阜教育大学教授を歴任。1988年逝去
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