NHKブックス
長期不況論―信頼の崩壊から再生へ

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140019634
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C1333

内容説明

なぜ、不況から脱却できないのか。構造改革が進める日本型経済システムの解体とともに、終身雇用制など生活の拠り所への信頼は崩れ、将来不安が生じる。不安ゆえに人々が消費を控えることが消費不況の真因ではないか。不良債権処理論やインフレ目標論などを批判的に検討し、若者の間に広まる新しい消費スタイルに新生の希望を探りながら、信頼を瓦解させるだけの小手先の「改革」を超えて、金融や雇用制度への信頼を回復するための成熟した経済政策のあり方を考える。著者渾身の経済再建論。

目次

第1章 構造改革の罠(一九九〇年代の経済政策の軌跡;何をめざしているのか―構造改革の11の主張)
第2章 日本の経済社会に何が起きているのか―長期不況論(消費不況という奇妙な現象;長期不況の原因と帰結―制度崩壊が引き起こす不安;構造改革論はなぜ制度の解体にこだわるのか ほか)
第3章 市場社会が直面する新たな現実―信頼の崩壊から再生へ(生産要素と市場化の限界;グローバル資本主義の不安定性;都市再生政策の病理 ほか)
終章 経済社会のゆくえ

著者等紹介

松原隆一郎[マツバラリュウイチロウ]
1956年、神戸市生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。専攻は、社会経済学、相関社会科学。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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KAZOO

9
書かれた当時(2003年頃)の状況からすると、日本経済の当時の状況や今後の先行きをよく分析していたと感じました。時間がたってからこのようなたぐいの本を読みかえしてみると、どのような経済学者がその後の日本経済についてよく予測していたかがわかります。マスコミもこのような観点から特集を組んでくれないでしょうか?2014/05/03

じょに

2
大枠では賛成。というか「普通に」考えると自分もこうなるよな、というのが確認できて良かった。ただ、中谷やら竹中やらが悪いと言うのではなく、明らかに既に見えていた物事が、なぜ見えなくなっていたのかを考えるべき。何が不可視化させていたのか。市場原理主義にせよ何にせよ、千年王国的世界観に基づくファンダメンタリズムには、それはただの信仰ですよと叩くだけでは効かないんよね。それは正しく、もしかしたら善意からの信仰だから。コレは大きな問題。ちょっとアレな物言いで言うなら、明らかな象徴闘争なのにそれを不可視化する象徴闘争2009/04/03

ルヴナン

0
2003年刊。小泉政権の進めた経済政策への批判書。ネオリベの言う事なんざ10年経っても大差ないので現在でも有効。代替案には疑問。結局行き着く先は日本人の社会性か?2014/08/29

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