内容説明
ほんとうの自分とは、ほんとうの生き方とは。個を越えたつながりを志向しながら、目覚めと自己変革をうながす、心の旅のガイドブック。
目次
“自分”を生きられない日本人の私
トランスパーソナル心理学とは何か(つながり志向の心理学;魂やスピリチュアリティを含む“第四の心理学”)
ケン・ウイルバーの“いのちのライフサイクル”と意識変容論―プレパーソナル、パーソナル、トランスパーソナル
自己探究・自己成長の三つの段階―人間の自己成長の完全なサイクル
第1段階 自分の人生の“主人公”となる―プレパーソナルからパーソナル
第2段階 自分を越えた“いのちの働き”に目覚める―パーソナルからトランスパーソナル
第3段階 自分を越えた向こうからの“呼び声”を聴く―トランスパーソナルからパーソナル
8つの“生きるヒント”―トランスパーソナル心理学のメッセージ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Uncle.Tom
16
かなり宗教色の強い内容。でもだからこそ、宗教と科学のつながりのとっかかりをここに掴むことができました。これが心理学の立場として学問的ポジションを得たことはかなり衝撃ではあります。ただ、西洋哲学・東洋思想・心理学・宗教思想、これら全てにつながっていることが、これまでの僕自身の学びを通しても実感できます。ある時点に多くの人が直面する空しさ、人生の空虚さ。それらが人間としてステップアップするための兆しとなっている。確固たる個を確立していく上では欠かせない認識です。人間としての生に疑問を持ち出している人々に捧ぐ!2019/09/28
白義
14
社会的、存在論的なストレスから抜け出し、自己実現の先にある自己超越で深層の世界に開かれまた日常に回帰するのがトランスパーソナル心理学、らしい。著者が誠実に書いているのはわかるが、大仰な言葉が宗教っぽいし「これ要は東洋思想風味の自己啓発では……」と思ったらだいたいその通りの内容だった。理論編で、マズローや夜と霧のフランクル、ウィルバーといった理論家たちを紹介しながら、日常から遊離しがちないわゆるカルト、ニューエイジなどへの批判を書いているのは用心深いとは思ったが。実践もそこそこ詳しい2014/12/16
猫丸
13
シュタイナーを真面目に読む知人が、その次に食い付いたのがトランス・パーソナル心理学。鹿児島ラ・サールから東大へ進んだ彼の心中にいかなる思いが去来したのか知らぬが。この世にセーフティネットはある。ひとつは政治屋だ。就職先に困った学生さんなら、じぶんの主義主張に目を瞑って手近な事務所に奉公に入れば、最低でも秘書として食うには困らない。能力は無くてもいい、というか無い方が良いのが政治屋稼業。困ったときの駆け込み寺である。もひとつはスピリチュアル業界。作文が得意な人向け。まあ簡単である。僕でも本書くらい書けるよ。2022/12/11
Yukiko
11
30代から40代初めにかけて、いろいろ読んだ本はトランスパーソナル心理学という分野の本だったのかと知識の整理になった。何かというと依存的になって寂しい気持ちを抑えられない自分の心を、どのようにしたらよいのか、ユングから始まって、本を読むことによって゛随分と心が整理された。もちろん、本を読むだけではなく、心を見つめる実践も必要だったのだけれど。それらも、つまりはトランスパーソナル心理学という分野のものだったのだと思う。2015/09/19
moshi
8
これは心理学?前半は「怪しい、怪しすぎる」と思って斜め読みになってしまった。だけど段々マインドフルネスやらフローやら、私自身知っている話が入ってきて、後半は妙に引き込まれてしまった。今までよくわからなかったプロセス指向心理学もなんとなくわかってきた。痛みや不快感に居場所を作って受け入れる手法は知っていたけど、自分が「痛み」や「不快感」になってそれの伝えようとしていることを読み取るという手法は初めて知った。興味深い。けど、やっぱり怪しい笑2018/02/19