岩波文庫
文学と革命〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 399p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003412725
  • NDC分類 980.2
  • Cコード C0198

出版社内容情報

革命家トロツキイはまた,旺盛な読書家であり並はずれた文章家でもあった.本書は彼自身の編んだ唯一の文学論集.十月革命後の文学・芸術状況を扱った第一部と,革命前に書かれた論考を集めた第二部から成るが,同時代にあってロシア・ルネッサンスの全貌を的確に把えていたその慧眼は私たちを驚かせてやまない.

内容説明

革命の芸術家トロツキイの、彼自身の手になる唯一の文学論集。プロレタリア体制という過渡期の芸術を、真に人間的な文化の準備段階として位置づけ、二〇年代文学を具体的、系統的に論じている。第1部では、ブローク、ピリニャーク、セラピオン兄弟、マヤコフスキイら十月革命以後の文学を扱い、革命芸術を展望する。

目次

第1部 現代文学(十月革命の外の文学;革命の文学的同伴者たち;ブローク;未来主義;詩の形式派とマルクス主義;プロレタリア文化とプロレタリア芸術;党の芸術政策;革命芸術と社会主義芸術;文学とロシア共産党の政策について)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

cockroach's garten

24
革命家トロツキー。彼の同時代の文学に対する評論である。ロシア文学における”銀の時代”の詩人たちを批判している。中でも革命詩人と言われたマヤコフスキーをかなり詳しく長所と短所を的確に炙り出していた。後半はプロレタリア文学ならびに芸術に対するトロツキーの考えが述べられている。プロレタリア文学といっても単純に過去を否定するという訳ではなく、過去を学びそれを生かすという姿勢がここから読み取れる。興味深い一冊であった。2020/04/29

juunty

3
ロシア革命時の文学の変化を述べた論評書。当時のロシアでは紙とインクは貴重品だったので、書籍に出版されたものは政治的、思想的内容を含むものが多かった。本来ならこういった思想とは遠い場所にあるはずの文学でさえも、出版のハードルを超えるには政治的思想的内容を含まなければならなかった。そういった背景で文学も革命のあり方について自然と触れていくことになる。内容は著者の論評に終止するので、その評価の対象である文学について予備知識がないと、本書の内容をつかみにくいと思った。2021/10/28

どうろじ

1
私がロシア文学を少しもかじっていないこともあってなかなか何を論じているのか理解するのが難しかった。ただ社会や歴史と芸術家との関係について、芸術と評論について、の議論は興味深く感じた。2019/08/31

工藤 杳

1
マヤコフスキーとエセーニンに対して、悪ぶってるが労働者にとってそれ、何の意味がある?という感じの批判。皮肉屋で、本音がどこなのか読み取るのに苦労する。 最後の会議録が生き生きとしていていい。2017/08/16

肉欲棒太郎

0
毛沢東はトロツキーの思想について「政治はマルクス主義的、芸術はブルジョワ的」と評したが、たしかに『文学と革命」のトロツキーにはプチブル・ディレッタント的な趣きがある。でもそこが良い。プロレタリアはブルジョア芸術からこそ学ぶべきだ、という姿勢に共感。2015/09/13

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