田村慶子 著、めこん、2016.86遅 嘉懿(政策学部 政策学科 4年)『シンガポールの基礎知識』は日本のシンガポールを研究する最も代表的な研究者である田村慶子氏の著作である。シンガポール国立大学客員研究員(2011~12年)を含めて、数多くのシンガポール滞在経験を持つ田村氏は、いくつかのシンガポールに関する研究成果を出版した。そしてその著作の中で、なぜ私が『シンガポールの基礎知識』という本を薦めるのかその理由を紹介したい。私は龍谷大学学部三年生のとき、「龍谷大学親和会海外研修奨学金」によって、シンガポールに一週間の異文化学習体験研修に参加する機会を取得することができた。見学の準備を契機として、シンガポールの多言語・多文化状況などシンガポールの社会実態を研究する必要があった。その時、龍谷大学図書館から『シンガポールの基礎知識』という本を借り出し、この本を通して見学に大変有益な基本情報など様々な知識を得ることができた。まず、シンガポール建国の歴史から現在まで経済・文化・政治などそれぞれの側面によって、シンガポールの基礎知識を積み重ねながら書いてあり、自分の視界が開けたと感じた。次に、内容というのは、とても深刻で難しいものだけではなく、明白な言葉で簡単な道理を伝えるのもとても有意義であると認識した。特に、第4章「新たなる国民国家の創造」では、優れた人材を選出するために、学校教育にメリトクラシーを導入し、能力主義的に教育選抜を行なってきたことがとても印象深かったので、卒論のテーマとして引き続き研究するつもりである。また、この本を通して、シンガポールだけではなくて、アジア文化についてより一層理解が進ようになった。さらに、全くその多民族・多文化の雰囲気に溶け込んだというように感じられ、多民族祭りと古き街並みの美しい写真を見て、心から感心させられるような感じになって、とても行きたい気持ちを持つようになった。この本は、シンガポールに行く予定がある人にとっても、アジア歴史に興味がある学生にとっても意義があると思う。特に日本に留学している学生にとって、この本を通して出身国や日本社会と違っている魅力が感じられて、国際理解・知識拡大・自己向上をさせる力になると思う。ぜひ皆様に薦めたいと考えている。優秀賞『シンガポールの基礎知識』
元のページ ../index.html#88